「ASEANオンラインセールスデー」開催へ
(ASEAN)
ジャカルタ発
2020年07月21日
ASEAN電子商取引委員会(ACCEC)(注1)は7月15日、8月8日に開催される「ASEANオンラインセールスデー」のウェブサイトを公開した。ASEAN事務局の声明によると、150を超える事業者が「ブカラパック」や「ショッピー」など東南アジア各国のECプラットフォーム上において、8月8日限定でASEAN域内の物品を特別価格で販売する予定だ。「新型コロナウイルス禍」において、ASEAN域内での越境ECを活性化させることが目的だ。出品を希望する事業者は、同ウェブサイト上に記載されている各国の担当省庁へ連絡が必要となる。
グーグルなどが2019年10月にまとめたレポートによると、東南アジアのEC市場は、2019年の380億ドルから2025年には1,530億ドルに達する見込みで、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出制限などで消費者の行動様式がオンライン中心に変化する中、東南アジアの中小企業にとって、ECなどのデジタル技術を活用した販路拡大が急務となっている。その重要性はASEAN+3(日本・中国・韓国)首脳会議の共同声明でも指摘されているところだ(2020年4月16日記事参照)。ASEANはASEAN零細中小企業調整委員会(ACCMSME)(注2)を中心に、域内の企業の9割を占める中小企業の育成を行っている。
本事業につき、インドネシアのアグス・グミワン・カルタサスミタ商業相は「インドネシアのECプラットフォーム事業者および中小事業者に大きな利点があるだろう」と述べ、インドネシア製品の東南アジア市場における販路拡大に期待を示した(「アンタラニュース」7月13日)。
(注1)2016年11月のASEAN高級経済事務レベル会合(SEOM)で構想され、同年度末に発足。ASEAN加盟国がECを経済・社会発展のために安全に活用できることを目指し、民間セクターとの対話などを行う。具体的な対象領域として、ECインフラやオンライン消費者保護、電子決済などがある。
(注2)2016年1月に発足。ASEAN域内の零細・中小企業の支援を行うためにASEAN加盟国の中小企業担当省庁の代表者からなり、零細・中小企業者のキャパシティビルディングなどを行う。
(上野渉)
(ASEAN)
ビジネス短信 4edf096220faa032