国産車の自動車登録料が年内半額に、新型コロナ後の消費促進策

(ベトナム)

ハノイ発

2020年07月15日

ベトナム政府は6月28日、国産車の自動車登録料を半額にすることを定めた政令70号(70/2020/ND-CP)を公布し、即日施行した。新型コロナウイルスの影響で落ち込んでいる国内の自動車生産と販売を促進する狙いがある。

政令では、6月28日から12月31日までの期間、ベトナム国内で組み立て生産された自動車(トレーラーを含む)の登録料を50%減額する。自動車登録料は、特別消費税(注1)や付加価値税(10%)を含む本体価格に乗じて徴収される。9人乗り以下の乗用車に対する新規登録料は原則10%を適用する(注2)。仮に本体価格が300万円の国産乗用車を新たに購入する場合、通常30万円の自動車登録料が掛かるところ、年内は15万円分が減額されることになる。

1~5月の自動車販売と生産は減少

新型コロナウイルスの感染拡大が自動車産業に与えた影響は大きく、ベトナム自動車工業会(VAMA)によると、1~5月の新車販売台数(注3)は前年同期比34.5%減の8万3,181台だった(添付資料図1参照)。特に外出制限措置が適用された4月は、自動車販売店も休業せざるを得ず、大幅な落ち込みとなった。

政府の統計総局によると、1~5月の自動車生産台数は前年同期比41.9%減の7万3,100台だった(添付資料図2参照)。特に落ち込みの大きい4月は感染拡大を踏まえた安全対策実施などを受け、フォードやトヨタ、ホンダなどが生産を一時停止したことも影響した。

今回の登録料減額措置を受けて、各社ではプロモーションを見直して販売促進を狙う動きが出ており、販売台数と生産台数の回復が期待される。一方、2020年内の時限措置であり、輸入車は対象外という点など、販売促進の効果の程度には注視が必要だ。

(注1)特別消費税の税率は、自動車の種類によって最小5%から最大150%で設定されている。9人乗り以下の乗用車でシリンダ容量1,500立方センチ超2,000立方センチ以下の場合の税率は40%。

(注2)新規の登録料は、省・市の人民委員会がそれぞれ比率を増やすことができ、ホーチミン市やダナン市は10%、ハノイ市では12%と規定されている。

(注3)VAMAの発表値には、ヒュンダイ・タインコンなどの一部の販売台数は含まれていない。ヒュンダイ・タインコンによると、2020年1~5月の同社販売台数は2万2,401台。

(庄浩充)

(ベトナム)

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