米テスラ、テキサス州に新工場建設へ、国内2つ目で11億ドル投資
(米国)
ヒューストン発
2020年07月28日
米国の電気自動車(EV)メーカー・テスラは、テキサス州トラビス郡オースティン市近郊に、国内でカリフォルニア州フリーモント市に次ぐ2つ目の自動車工場を建設する。同社が7月22日に行った2020年第2四半期(4~6月)の決算報告説明会で、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が表明したと全米のメディアが報じた。
同社は85ヘクタール(東京ドーム約18個分)の敷地に400万平方フィート(同8個分)を超える広さの工場を建設し、新型電動ピックアップトラック「サイバートラック」や、小型SUV(スポーツ用多目的車)「Model Y」などを生産する。投資額11億ドル規模に上るこのプロジェクトでは、約5,000人の従業員を平均年収4万7,147ドルで雇用する予定。また、テキサス州の最低賃金時給7.25ドルのところ15ドルを保証し、医療保険や有給休暇などの福利厚生も充実させるとしている。2021年末の操業開始を目指す。
テスラの進出先となるトラビス郡(郡庁所在地:オースティン市)の議会は7月14日、工場建設にかかる税優遇措置を求めるテスラに向け、今後10年間で約1,400万ドルの税還付につながる支援策を承認するなど、地元では万全の誘致態勢を整えていた。
進出候補先にはオクラホマ州タルサ市も挙がっていた。同州政府はこれまでテスラに対し、新工場の誘致に向けて低廉な賃金、生活コスト、公共料金などをアピールしていたが、トラビス郡が競り勝った。
テキサス州のグレッグ・アボット州知事は22日、「テスラの新工場は多くの雇用を創出し、州内の経済を強力にして、この投資がテキサス中央部、そして州全体に巨大な利益をもたらすことを期待している」と歓迎の声明を発表した。
オースティン市のスティーブ・アドラー市長も「テスラの進出は、とりわけ新型コロナウイルスが経済に与える影響と戦う中、進出予定のオースティン東部に重要な経済成長をもたらす」と述べている(「ダラス・ビジネス・ジャーナル」紙7月22日)。
(小山勲)
(米国)
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