湖北省、重大気象災害レベルを2級に引き上げ
(中国)
武漢発
2020年07月08日
湖北省気象局は7月6日、同省の重大気象災害(暴雨)レベル(注1)を3級から2級に引き上げたことを発表した。7月4日以降、湖北省をはじめとする長江中流域では断続的な豪雨が発生しており、省内の各地で浸水被害などが発生している。湖北省政府は、この豪雨の影響で7月6日午後5時30分までに、省内12市・州(注2)で約95万人が被災し、家屋の損壊や農地の冠水などによる直接的な経済損失が11億4,200万元(約171億3,000万円、1元=約15円)に上ったと発表した。
また、同省西部に位置し、世界最大のダムである三峡ダムが放水量を増加させたことなどから、下流に位置する武漢市付近では、7月7日に長江が警戒水位に到達した。
日系企業は工場浸水の懸念を抱える
一部の湖北省進出日系企業も、この豪雨の対応に追われている。武漢市、孝感市、荊州市などでは、各所で道路が冠水しており、迂回のための大規模な渋滞が発生し、従業員の出勤などに影響が生じるケースも出てきている。今後さらに豪雨が続く場合、工場の浸水被害や、従業員が出勤できなくなるといった被害が発生し、臨時休業を余儀なくされる企業が出てくることも懸念される。
湖北省政府は関係機関を通じ、24時間体制で河川の監視や緊急救助・移送の準備に当たっている。また、省内の企業に対しては、洪水対策に関する自己点検を行うよう促し、建物の倒壊や感電などの危険を回避するよう呼び掛けている。
(注1)1級(特に重大)、2級(重大)、3級(比較的重大)、4級(一般)の4段階から成る。2級は、暴雨の影響から都市部で浸水被害が発生し、交通や通信、市民生活等に重大な影響が発生している状態等を指す。
(注2)武漢市、黄石市、宜昌市、ガク州市、孝感市、荊州市、黄岡市、咸寧市、恩施州、仙桃市、潜江市、天門市。
(片小田廣大)
(中国)
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