低公害車への買い替え補助金制度を改正
(フランス)
パリ発
2020年07月30日
エコロジー移行省は7月27日、低公害車への買い替え補助金制度の改正を発表した。新型コロナウイルス感染症拡大により打撃を受けた自動車産業の救済策として、政府は6月に電気自動車やプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)などへの買い替え補助金について、6月1日以降に買い替えられた最初の20万台に限り倍増する特別措置を導入していた(ブラック ジャック 遊び方購入支援を強化、ブラック)。6月は同制度を利用した電気自動車やPHEVの購入が急増し、7月末までに20万台の上限に達するとみられることから、支援措置を縮減しつつ継続することを決めた。
8月3日に改正される新制度では(添付資料表参照)、廃車する車種については2006年1月以前に新規登録されたガソリン車と2011年1月以前に新規登録されたディーゼル車で変更ないが、対象となる低所得世帯の基準課税所得を1万8,000ユーロから1万3,489ユーロに引き下げ、低公害車への買い替えを後押しする低所得層を限定する。
電気自動車およびPHEVに買い替えた場合の補助金の支給額も5,000ユーロから2,500ユーロと6月以前の水準に戻す。ただし、基準課税所得が6,300ユーロ以下の低所得世帯や、基準課税所得が1万3,489ユーロ以下の世帯で自宅からの通勤距離が30キロメートルを超える、または仕事上の理由による自家用車での移動が年間1万2,000キロメートルを超える場合は5,000ユーロを支給する。
内燃自動車への買い替えに対する補助金も、排ガスレベル認定シール(Crit’Air)1レベルに認定された車やCrit’Air2レベルに認定された車(注)で2019年9月1日以降に新規登録されたものに限り継続するが、適用は基準課税所得が1万3,489ユーロ以下の世帯に限定し、支給額も3,000ユーロから1,500ユーロに引き下げる。ただし、基準課税所得が6,300ユーロ以下の低所得世帯や、基準課税所得が1万3,489ユーロ以下の世帯で通勤距離が30キロメートルを超える、または仕事上の理由による自家用車での移動が年間1万2,000キロメートルを超える世帯には3,000ユーロを支給する。
新制度ではCO2排出量が1キロメートル当たり20グラム以下の電気自動車、PHEV、燃料電池自動車の新車に買い替えた場合、買い替え補助金と併用して最大7,000ユーロの環境報奨金を受け取ることができる。
(注)排ガスレベル認定シール(Crit’air)1レベルはPHEVとEURO5、EURO6を満たし、2011年1月1日以降に新規登録されたガソリン車。2レベルはEURO4を満たし、2006年1月1日から 2010年12月31日までに新規登録されたガソリン車とEURO5およびEURO6を満たし、2011年1月1日以降に新規登録されたディーゼル車。
(山崎あき)
(フランス)
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