紀伊國屋書店、アブダビに中東2号店をオープン
(アラブ首長国連邦)
ドバイ発
2020年06月08日
ブラック ジャック ディーラー ルールに多店舗展開する紀伊國屋書店が5月6日、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビに新店舗を開いた。同社のブラック ジャック ディーラー ルール店舗は39店目、中東ではドバイ店に続いて2店目となる。
出店したのは、アブダビの中心地にあるショッピングモール「ザ・ギャレリア」だ。進出の背景について、UAEエリア支配人の平田直也氏は次のように話す。「アブダビはUAEの首都であるにもかかわらず、書店らしい書店がなく、ドバイに比べて娯楽施設も少ないのが実情。現地UAEの人たちや駐在員からの多くの出店要望、近年のルーヴル・アブダビ開館など文化面での注力や、世界的に有名な大学の進出による外商のビジネス機会の増加など、チャンスを見込んでいた。そんな中で、同モールから熱烈なオファーを受け、条件面でも折り合ったため出店を決断した」。店内には約15万冊を並べ、主力は洋書、アラブ書、中東でも人気が高い日本の文具、マンガやフィギュア、児童書などをそろえる。テラスエリアを設け、将来的にはカフェの開店も予定するなど、同モールの主要ターゲットの地元住民や家族連れを意識した「オアシスのような」滞在型の書店を目指す。
開店から約1カ月が経ち、出だしは想像以上に良いという。「新型コロナウイルスの影響とラマダンの時期が重なり、集客は不安だったが、モールも広告宣伝を積極的に行ってくれた。『やっと開店してくれた』という声も複数聞き、うれしい気持ち。巣ごもり消費需要から、書籍やパズル、ゲームが多く売れており、ある意味タイムリーな開店だったのかもしれない」と、平田氏はほっとする。
UAEでの商況は、入居モールの閉鎖や営業時間の制限などもあり、店舗売り上げがなくなった時期もあったが、以前から取り組んでいるオンライン販売(Eコマース)は好調が続き、通常時の2倍以上の売り上げとなるなど、店舗の苦境をカバーしている。もともと顧客層は地元住民が多く、国境の封鎖による観光客減の影響は少なく、店舗の売り上げもビジネスの再開に比例して徐々に回復基調にある。
(山村千晴)
(アラブ首長国連邦)
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