ダイキンとWASSHAが合弁会社設立、タンザニアでエアコンのサブスクリプション事業

(タンザニア、東アフリカ)

ナイロビ発

2020年06月24日

ダイキン工業と、タンザニアを中心に東アフリカでテクノロジーを活用した電力サービス事業を展開するWASSHAが、6月15日に合弁で新会社「Baridi Baridi(バリディバリディ)」を設立した(6月16日プレスリリース)。両社は新会社を通じて協業を本格化し、タンザニアでエアコンのサブスクリプション事業(注)を開始する。「Baridi」は地元のスワヒリ語で「冷たい、冷やす」の意味がある。

WASSHAは、アフリカの地方部に点在する小型の売店をプラットフォーム化し、IoT(モノのインターネット)技術を使って、未電化地域に電力を提供する日系スタートアップだ。東アフリカで普及が進むモバイルマネーを活用し、使用料を1日単位で使う分だけ支払う、いわゆる「Pay As You Go(PAYG)」の仕組みを構築した。一方、ダイキン工業は、これまでタンザニアで普及していた省エネ性能が低いエアコンに比べ、環境にやさしく、高効率な空調技術を有している。WASSHAが持つタンザニアでのネットワークやノウハウと、ダイキン工業が有する技術力を生かし、これまでエアコンを購入できなかった所得層にも高効率な空調の普及を目指す。

また、WASSHAは2019年12月、ヤマハ発動機と二輪車を活用した物流サービスの連携も発表している。

東アフリカでは、PAYGモデルのビジネスが急速に拡大している。小型の太陽光パネルに電球と携帯電話の充電器が搭載された簡易なホーム・ソーラー・システムの販売から始まり、家電製品を従来購入することができなかった所得層に広く受け入れられている。現在では、付加価値の高いテレビや扇風機などの商品展開がトレンドだ。三井物産と住友商事も出資するケニアのM-Kopa Solarは、日本電産の子会社Embracoと協業し、ソーラーパネルで稼働する高効率な冷蔵庫を開発、PAYG販売を開始した(2019年12月19日プレスリリース)。

(注)利用した期間に応じて、モノの使用料を支払う形式。

(久保唯香)

(タンザニア、東アフリカ)

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