地方への光ファイバー網整備の機器供給元としてノキアを選定

アイルランドの地方での光ファイバー網の構築促進と運営を行うナショナル・ブロードバンド・アイルランド（NBI）は6月23日、地方部へのネットワーク導入の際の機器供給元としてフィンランドのノキアを選定したと発表した。

これはアイルランド政府が2012年に発表した「国家ブロードバンド計画」の一環。同計画はアイルランドの全ての人々が高速通信にアクセスできるようにすることを目的としており、民間事業者によるサービス提供が不十分な地域をカバーする。オンライン診療などのスマートヘルス、スマート農業やデジタル学習などの分野での機会を提供。同計画を実行に移すため、政府は2019年11月にNBIと契約を締結しており、4年間のうちに全国の敷設率を9割超とするとしている。

NBIのピーター・ヘンドリックCEO（最高経営責任者）は「より良いブロードバンド網が整備されることで、全ての人々、自治体、組織が平等に機会を得ることができる。これは社会的な進歩、平等、持続可能性の実現につながる」と期待を示した。ノキアUK・アイルランドのコーマック・ウィーランCEOも「新たなサービスや産業のデジタル化、経済や社会のイノベーションの恩恵を国内全土で享受できるようにするためには、都市部だけでなくあらゆる地域に高速通信を提供することが求められている」とし、アイルランドのデジタル化促進のカギとなるとした。

5月にはリチャード・ブルトン通信・気候行動・環境相が新型コロナウイルスの感染拡大により、同計画のメリットが示されたとし、同計画のペースを速めることを検討すると発言、6月17日にはレオ・バラッカー首相も計画を加速させることを約束すると述べたと報じられている。

（山田恭之）