ISO、中国提案の非接触宅配サービスのガイドライン作成を承認
(スイス、世界)
ジュネーブ発
2020年06月02日
国際標準化機関(ISO、在ジュネーブ)は5月22日、中国が提案した「非接触宅配サービスのガイドライン」を承認した。ISO規格としてではなく、より迅速かつ簡易的なプロセスを使った「国際ワークショップ協定(International Workshop Agreement、IWA)」として文書を作成する。
提案はISO規格を作成する専門委員会の監督などを行う内部委員会ISO/TMB(技術管理評議会)の投票で承認された(TMB決議41/2020)。今後、ISOの各国メンバーは自国からの参加者を募集する。
非接触宅配サービス
宅配業者が受取人に荷物を直接手渡しすることなく、玄関前や宅配ボックスなど指定の場所に置くサービス。いわゆる「置き配」。新型コロナウイルス感染予防のため、各国のデリバリー業者や郵便局で採用が広まった。日本でも、日本郵政やデリバリー大手の出前館などがサービスを提供する。
提案の内容
今回のIWAは、ISOの中国メンバーである中国国家標準化管理委員会(SAC)が提案した。宅配業者をウイルス感染から守りつつ、消費者の宅配ニーズが満たされることを可能にする事項などを規定する。
SACはISOへの提案と並行して国家規格の作成も急いでいる。4月17日には「非接触配送サービスのガイドライン」に関する中国国家規格を通常よりも速いプロセスで作るプロジェクトを承認した。
ISO規格と国際ワークショップ協定
ISO規格を発行するためには、分野のエキスパートが専門委員会に国の代表として出席し、議論や投票を経て発行される。このため発行には通常、数年を要する。
一方、国際ワークショップ協定はより迅速かつ簡易的なプロセスで作られるISO文書の1つで、1年以内を目標にワークショップの参加者が合意しながら作る。
(小谷由紀子)
(スイス、世界)
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