自動車メーカー操業再開で5月の月間生産台数は4,802台
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2020年06月15日
アルゼンチン自動車製造業者協会(ADEFA)は6月3日、5月の国内生産台数(大型トラック・バスを除く)が4,802台(前年同月比84.1%減)、輸出台数が3,227台(同85.2%減)と発表した。また、1-5月期で見ると、生産台数は前年同期比48.4%減、輸出台数は同48.7%と厳しい状況となった。
アルゼンチン政府は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、3月20日から公衆衛生上の緊急事態による外出禁止令の発令を続けており、自動車生産工場が稼働しなかった為、4月の生産台数は過去60年間で初めて0台を記録した(関連ブラック ジャック ディーラー)。
その後、四輪メーカー各社は、衛生基準を満たすプロトコル(手続き)の承認を得て操業を再開し始めている。4月27日にトゥクマン州にあるスカニアのトランスミッション工場再開を皮切りに、同月29日からはコルドバ州にあるフォルクスワーゲンのトランスミッション工場が操業再開した。日系の自動車メーカーでは、トヨタが5月18日からサラテ工場を再開。同月27日には、アルベルト・フェルナンデス大統領が同工場を訪問し、過去20年間にわたって9億ドルの投資を行ったことを賞賛し、自らもトヨタ車ユーザーであることをアピールした。日産は、6月16日からコルドバ州のサンタ・イサベル工場を再開する見通しとなっている。なお、ホンダは5月にアルゼンチンにおける四輪生産を終了している。
次期ADEFA会長に就任すると目されている、トヨタ・アルゼンチンのダニエル・エレーロ社長は、6月6日付現地紙「アウト・アル・ディア」のインタビューに応じ、サラテ工場の操業再開直後は1直体制で1,000~1,200台/週ほど生産できていることや、今年の生産台数が14万台から9万台に減る見通しであると述べた。
6月5日には、与党の有力者の1人であるセルヒオ・マッサ下院議長が自動車および関連産業の労使関係者とオンライン会議を開催し、2030年に向けた自動車産業戦略について協議するなど、今後に向けた協議が始まろうとしている。
(紀井寿雄)
(アルゼンチン)
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