エチオピア航空が貨物に注力し、5月は単月で黒字

(エチオピア)

アディスアベバ発

2020年06月09日

エチオピア航空の5月の収益が1億2,000万ドルを超え、費用を上回った。国営メディアが6月2日付で伝えた。同航空ニュースレター(6月4日付)によれば、毎日の貨物輸送量は平均1,800トンほどだ。

エチオピア航空は新型コロナウイルスの影響で航空業界が苦境に立つ中、政府の財政支援を求めることなく、アフリカ内外への航空貨物輸送に注力して乗り切り、保有機材のうち、20機は貨物用に転換して、輸送能力を2倍にしている。同社のカーゴ施設は世界食糧機関(WFP)と世界保健機関(WHO)によってアフリカ地域への医療援助物資供給拠点として活用されているほか、アリババ集団創業者のジャック・マー公益基金会も医療支援物資のアフリカ各国への配送にエチオピア航空を活用している。

欧州での経済活動の再開に伴い、一時は廃棄とされたバラなどの花卉(かき)についても、エチオピア航空のテウォルデ・ゲブレマリアム最高経営責任者(CEO)は国営メディアに対して、エチオピアから毎日200~300トンを輸送していることを明らかにしている。

国内の新型コロナウイルス感染者数累計は1,636人(6月4日時点、保健省)。1日当たりの新規感染者数が5月28日に100人となり、初めて3桁を記録して以後、1日当たりの新規感染者数の増加傾向が明確になってきた。6月4日には1日当たりで最多となる150人の新規感染者が確認されている。

(関隆夫)

(エチオピア)

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