大統領、新型コロナウイルス死亡率の低さと医療体制の拡充を発表
(ガーナ)
中東アフリカ課
2020年06月10日
アクフォ=アド大統領は5月31日の国民演説で、新型コロナウイルスに関する国内の最新の感染状況と対応策を発表した。同日時点で21万8,425件の検査を実施し、感染者数累計は8,070人、死亡者数累計は36人で、回復者数累計は2,947人、自宅や病院などで治療中が5,087人、13人の重症のうち3人が重体、うち1人が人工呼吸器を使用しているとした。
ガーナでは死亡率はアフリカや世界の中でも最低の水準にあるとし、予想されていたような数百~数千人の死亡者は出ておらず、緩やかな状況に落ち着いているとした。また、死亡者の多くが糖尿病と高血圧を抱えていたとして、生活習慣の見直しも訴えた。医療システムは今のところ逼迫しておらず、この結果を生み出したのは政府が講じた措置であるとした。
さらに、感染者を追跡、検査、治療する能力は大幅に向上し、効率的で大規模な接触者の追跡システムが確立され、検査施設を国内で2カ所から10カ所に拡大した。また、医療物資の外国からの輸入への依存度を下げ、国内生産を大幅に拡大し、医療従事者へのグローブやマスクなど個人用保護具の配布を実現したとした。詳細は以下のとおり。
- グローブ(手袋):444万690双
- マスク:352万4,205個
- ゴーグル:6万2,194個
- 消毒液:10万9,829リットル
- ヘッドカバー:8万5,995個
- ガウン(防護服):8万2,655着
- 医療用スクラブ(白衣):5万3,517着
- N-95フェイスマスク〔※〕:4万3,633個 〔※〕米国労働安全衛生研究所(NIOSH)のN95規格をクリアし認可された微粒子用マスク
また、緊急的に公衆衛生システムを強化するために、病院を持たない地区88カ所へ十分な設備を備えた機能的な地区病院を1年以内に建設する「アジェンダ88」を実行するとした。西部地区セコンディの病院の改修なども含まれる。
(関根広亮)
(ガーナ)
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