アパレルメーカー「アマーロ」、ゲーム空間を通じて新作を企画

アパレルメーカー「アマーロ」は6月15日、任天堂のゲームソフト「Animal Crossing：New Horizons（あつまれ どうぶつの森）」に同社のアバターを登場させ、「ゲーム空間で生み出されたアパレルデザインをリアルな新作企画に役立てる」と発表した。

同ゲームは、無人島に自身のアバター（分身）を設置し、自分好みのライフスタイルを楽しむものだ。自分で描いた絵や模様で服などを作る「マイデザイン」機能が備わっており、自身のアバターに着せることができる。同社は公式アバターをゲーム内に設置し、無人島内で出会うユーザーと交流させることで新たなデザインやトレンドを追い、100％ゲームからインスピレーションを得た「アマーロクロスコレクション」を展開する。8月にはアマーロクロスコレクションから厳選された新作の洋服がリリースされる予定だという。

スタートアップのニュース配信やオンライン カジノ ブラック ジャックポータルサイトを運営するStartSeは6月15日、この背景として「新型コロナウイルス感染症拡大の影響で同ゲームのユーザーが増加していた点が挙げられる」と分析しており、「日本発のゲーム空間からデザインやトレンドを追求するブラジル初の企業だ」と述べている。

他国の大手アパレルメーカーは、同ゲーム内に各社の商品を公開する動きがみられるが、アマーロは逆にゲームからアイデアを得るという点が目新しい。

6月16日付現地「エザーメ」紙によれば、アマーロのルシアーノ・カルドーゾ クリエイティブディレクターは、「最近のライフスタイルはオンラインとオフラインの境界が入り交じり始めていることに着目し、テクノロジーをファッションに生かしていく必要性がある」と述べている。

アマーロは、工場と消費者を直接繋ぐDtoC（Directo to consumer）型のビジネスモデルでアパレル商品をオンライン販売し、納期短縮（24時間以内）とコスト削減を実現している。消費者がオンラインでアパレル商品を購入する前に不安を解消するための試着専用店舗も構えており、競合との差別化を図っている。同社の公式インスタグラムはフォロワー85万人に上り、毎週90以上の新作をリリースしている。

ジェトロがSNSを通じて同社にヒアリング（6月18日）したところ、日本発ゲームの技術力、ブラジル人ゲームユーザーの創造力とアマーロの美的センスで相乗効果を生み出したいとの回答を得た。

（古木勇生）