アルゼンチン進出日系企業の約7割、国内の新型コロナ収束と事業再開は2021年以降と回答
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2020年06月16日
ジェトロは6月8日、亜国日本商工会議所と共同で、アルゼンチンに進出する日系企業を対象に実施した「新型コロナウイルスの影響に関するアンケート調査」(実施期間:6月1~5日)の結果を発表した。回答企業28社のうち、製造業は50.0%、非製造業は35.7%、その他が14.3%。
調査によると、アルゼンチンで新型コロナウイルスの感染が収束し、事業を再開するタイミングとして、「2021年前半」と回答した企業が42.9%と最も多く、次いで、「2020年内」で28.6%、「2021年下半期」が17.9%、「2022年以降」が10.7%となった。2020年いっぱいは「新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の制約の影響を受ける」とする企業が大半を占めている。
新型コロナウイルス感染拡大を受けて、ハイパーブラックジャック拠点における事業戦略やビジネスモデルの見直しを「実施済み」か、または「実施予定」かとの設問に対し、64.3%が「はい」と回答している。そのうちの72.2%が「既に着手している」と回答した。
「ハイパーブラックジャックモデルの見直しを行う(予定含む)」と回答した企業に対して、具体的な取り組みを複数回答で聞いたところ、77.8%が「財務・ファイナンスの見直し」、72.2%が「販売戦略の見直しを行う」とし、高い回答率となった。そのほかには「雇用・雇用条件の見直し」(50.0%)、「調達先の見直し」(33.3%)、「人材現地化(駐在員削減)」(22.2%)、「生産地の見直し」(無回答)と続いた。
ただし、一連の見直しを行う理由では、新型コロナウイルス感染拡大だけが理由でないことが今回のアンケートから確認できる。ハイパーブラックジャックモデルの見直しを行う理由について、「新型コロナウイルスとそれ以外」という複合的な理由が回答の100%を占めた。アルゼンチン経済は、2020年初から既にGDP成長率がマイナスになる見通しが伝えられており、新型コロナウイルスの感染拡大がその状況をさらに加速させたとみられる。事業戦略やハイパーブラックジャックモデルの見直しを「行わない」と回答した企業の中には、「アルゼンチン経済の悪化は織り込み済みだった」というものや、「昨年の段階で見直し済み」という回答も見られる。
(紀井寿雄)
(アルゼンチン)
ハイパーブラックジャック短信 428f93fff8a77ee1