政府がさらなるロックダウンの緩和を決定、シンド州では日系自動車・二輪メーカーが操業再開
(パキスタン)
カラチ発
2020年06月03日
連邦政府は6月1日、パキスタン国内の各州知事らと会議を開催し、外出禁止措置(ロックダウン)の緩和を決定した。ロックダウンの緩和は5月9日に続いて2回目。詳細な措置については各州に委任されることとなった。カーン首相は会議の中で「ワクチンが開発されるまでは、新型コロナウイルスと共に生きていかねばならない。そのためには標準行動手順(SOP)を厳守してほしい」と国民に強く呼びかけた。
連邦政府の決定を受け、パキスタン南部シンド州(州都:カラチ)政府は6月1日、州令(No.SO(J-I)/8-1(04)/2020-Corona)を発出した。SOPを順守することを条件に、自動車メーカーを含む製造業の再開などを許可した。同令の中で、教育機関、レストラン、映画館など、引き続き閉鎖を求められている業種を除き、全ての業種で事業を再開できることとなった。
これまで、スズキ、トヨタ自動車、ホンダ、ヤマハ発動機などが出資する在カラチ日系自動車・自動二輪メーカー各社は、州政府から個別許可を取るなど、6月以降の操業再開に向けて5月下旬から準備を進めていたが、今回の発令により本格生産に踏み出すこととなった。
引き続き、閉鎖措置や停止措置がとられる業種・活動は以下のとおり。
- 教育・研修訓練施設
- 結婚式場、ビジネスセンター、展示場
- 接触をともなうスポーツ、屋内スポーツクラブ、屋内ジムおよびスポーツ施設
- 屋内、または屋外で行うスポーツのトーナメント
- レストラン、カフェ(テークアウトと宅配を除く)
- テーマパーク、遊園地、アーケード
- 美容室、スパ
- 映画館、劇場
- 街中での行進、集会(内容を問わない)、宗教施設
- 観光業、観光ホテル
なお、営業日、営業時間は薬局と必須サービスを除いて、週5日(月~金)、午前6時から午後7時までと定められた。土日は原則的に外出禁止となる。また、事務所や事業所、店舗でSOP違反が見つかった場合は、業種を問わず営業・操業許可が取り消され、閉鎖を求められる。シンド州内の公共交通については、6月2日に関係者間でSOPについて最終協議した後に再開される予定となっている。
(山口和紀)
(パキスタン)
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