WHO、ブラジルの症例数が過小評価されている可能性を示唆

(ブラジル)

サンパウロ発

2020年06月26日

世界保健機関(WHO)のマイケル・ライアン緊急事態対応総括責任者は6月22日、ブラジルでの新型コロナウイルス感染検査の陽性率が31%と高率である点に言及した。ライアン氏は「世界の検査陽性率の平均は17%で、検査を大量に行っている国の場合は最大でも5%にとどまっている」として、同国での感染確認症例数が過小評価されている可能性を示唆した。

ライアン氏は6月17日にブラジルの感染状況について「安定化の兆しがみられる」とコメントし、6月に入り1日当たり感染確認者の増加ペースがやや鈍化している点を評価したばかりだった。その後、19日にはブラジルの1日当たり新規感染確認者数が5万4,771人で、3日前の過去最高記録を約57%も上回った。爆発的に増加した理由について、ブラジル保健省は、最近の感染登録システムの不具合で過去の未登録症例が含まれているためと説明している。

ブラジルの検査陽性率が高い理由は「検査数が少ないためだ」とする指摘は、過去に内外の医療専門家からも繰り返しなされていた。ライアン氏は今回、同国で感染確認症例数が過小評価されている問題をあらためて指摘し、注意を呼び掛けたことになる。

統計サイトのワールドメーターの6月23日付統計データ「COVID-19コロナウイルス・パンデミック外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」)によると、ブラジルの新型コロナウイルス感染検査数は251万人、10万人当たりの感染検査数は1万1,814人で、世界191カ国中110位となっている。

(大久保敦)

(ブラジル)

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