ジオ・プラットフォームズ、コロナ禍の中、資金調達を加速化

(インド)

ベンガルール発

2020年06月15日

新型コロナウイルス感染拡大により世界全体が景気後退に直面する中、インド地場財閥系通信会社のジオ・プラットフォームズは、4月22日の米フェイスブックからの大型出資受け入れ(関連ブラック ジャック ルール)を皮切りとし、直近の約2カ月間で多額の資金調達を実施していることがわかった。直近ではUAEソブリンウェルズエクイティファンドのアブダビ投資庁より約568億ルピー(約795億円、1ルピー=約1.4円)の出資を受け入れているが、2020年度は6月10日時点で計7社から約9,788億ルピー(約1兆3,700億円)を調達している(添付資料表参照)。

インド国内企業の多くがロックダウンによる経済停滞を要因とし資金枯渇に悩む中、投資家は、同社が加速的にデジタル投資を行う動向に着目し、結果として多額の資金流入が発生している。5月22日に約1,591億円の出資を発表した米PEファンド、コールバーグ・クラビス・ロバーツの共同経営者ヘンリー・クラビス氏は、「ジオ・プラットフォームズは、デジタル革命が進むインドにおいて、比類のないテクノロジーソリューションサービスを提供する次世代のテクノロジーリーダーだ。同社の印象的な活動量、世界クラスのイノベーション、そして強力なリーダーシップが今回の投資に至る指標となった」と言及している(「リライアンスインダストリーズ・プレスリリース」5月22日)。

スマートフォンを中心にした同社が打ち出すデジタルプラットフォームは、コロナ禍で急速に発展する非接触、Eコマースなどの消費者ニーズに合致している。同社は、フェイスブックが運営するワッツアップを活用した食料品注文サービス(ジオマート)の利用エリア拡大、映画館での混雑を嫌う消費者をターゲットとした、新作映画を上映開始日にオンラインで視聴できるサブスクリプションサービスの開始など、出資先との提携をきっかけとして、新たなサービスを展開している。これらのサービスは、約3億9,000万人の国内最大の通信契約者数を誇るリライアンス・ジオ・インフォコムの顧客へ提供されることから、他の国内通信キャリアとの差別化につながることが見込まれる。

(遠藤壮一郎、谷口晃希)

(インド)

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