通信大手のサンライズとソルト、光ファイバー展開に向け合弁設立
(スイス)
ジュネーブ発
2020年05月29日
スイスの第2位と3位の通信キャリアであるサンライズとソルトが5月19日、合弁で「スイス・オープン・ファイバー」を設立し、光ファイバー回線の国内敷設(FTTH)を加速すると発表した。
今後5~7年の間に150万世帯にブロードバンド接続を提供し、普及率を70%以上に上げることを目指す。そのために必要な投資額は30億スイス・フラン(約3,300億円、1スイス・フラン=約110円)を見込んでおり、協力パートナーを広く募ることとしている。
スイスでは、郊外ではブロードバンド環境が整備されていない地域も多く、課題とされていた。無線通信を用いたブロードバンドについては、都市部では既に2019年4月から5Gの商用サービスが開始されており、国内最大手であるスイスコムの場合、サービスエリアは人口の90%以上をカバーしているとされているが、電磁波の健康影響を懸念する反対運動もあり、大幅な高速化が図れる高周波数帯のサービス提供は遅れている。国内の光ファイバー網を持たないサンライズは、ケーブルネットワークを展開するUPCの買収を計画し、2019年9月には競争委員会の承認を取得していたが、株主の反対で見送りとなった経緯がある。国内首位のスイスコムを追う立場の両社は、5G展開は独自で、投資額の大きい光ファイバー網の設置については合弁で進めていくものとみられる。
(和田恭)
(スイス)
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