新型コロナ、ユーラシア経済連合内ではアルメニアに最も大きな影響
(ロシア、CIS)
タシケント発
2020年05月07日
ユーラシア経済連合(EEU)加盟5カ国(アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、ロシア)とタジキスタンが出資・加盟するユーラシア開発銀行(本部:カザフスタン・アルマトイ市)は4月22日、同行加盟国のマクロ経済予測レポート(4月改訂版)を発表した。国際金融機関がEEUに特化して新型コロナウイルス感染拡大の経済的影響を含めた経済予測を発表するのは初めて。
2022年までのマクロ経済関連指標予測は添付資料表1のとおり。各国通貨の対ドル・レートの予想も発表しており、アルメニアを除く各国で中期的にもレートは切り下がると見込んでいる。
レポートでは、EEU加盟国とタジキスタン経済に新型コロナウイルスと油価下落が与える影響について、対外的、国内的要因の2つに分類して分析している(添付資料表2参照)。対外的要因としてa.世界的経済活動低下による外需の減少、b.人・モノの移動減少に伴う観光・輸送などのサービス分野の需要減少、c.政府収入、輸出企業収益の減少に伴う原材料、輸送、建設分野における投資活動の停滞、d.世界的供給網の停止による中間財生産の減少、e.国際送金の減少、f.ビジネス心理の悪化(企業活動全般における投資活動への悪影響)、g. 金融条件の悪化を挙げた。国内的要因には、ウイルス拡大防止措置による大部分の産業・サービスでの生産・実績減を指摘している。分析では、EEU加盟国のうちアルメニアがマクロ経済に最も影響を受けると予想している。
(高橋淳)
(ロシア、CIS)
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