4月の新車登録台数は前年同月比97％減も、各社で操業再開の動き

英国自動車製造販売者協会（SMMT）が5月5日に発表した4月の乗用車の新車登録台数は、前年同月比97.3％減の4,321台となり、1946年2月（4,044台）以来の最低水準となった。欧州での新型コロナウイルスの急激な感染拡大を受け、政府が3月23日に発表した外出規制や自動車販売店の営業停止措置（2020年3月25日記事参照）による影響が顕著に表れた。また、英国のほかにロックダウン（都市封鎖）を実施した国をみると、前年同月比でイタリアが97.5％減、フランスが88.8％減となった。

SMMTはこうした状況を受け、2020年通年の新車登録台数予測を168万台に下方修正した。これは159万台にとどまった1992年以来の最低水準で、2019年の231万台よりも約27％、2020年1月時点の予測である225万台よりも約25％少ない。また、SMMTのマイク・ホーズ会長は声明で、「この最重要産業を安全に再開し、落ち込んだ需要を活性化することが英国の経済再生を加速する上でカギとなる」と述べた。

自動車メーカーの中では、3月から停止していた英国内にある工場の生産活動を5月から再開する動きが出てきている。トヨタは5月8日の発表で、2日間の準備期間を経て、13日から一部工場で生産活動を再開予定とし、英国最大の自動車メーカーのジャガー・ランドローバーは、18日から随時、英国内の工場を再開していくと4月23日に発表した。また、日産は6月初旬から段階的に自動車生産を再開する計画を発表した（5月4日）。スペインやドイツなど他の欧州諸国では、既に生産活動が再開しているところもあり、欧州での自動車生産の正常化に向けた動きが始まっている。

（尾崎翔太）