外出禁止令導入後、通信機器購入と酒屋での支出が増加
(ロシア)
欧州ロシアCIS課
2020年04月17日
ロシアでは、外出禁止令が導入された3月30日以降、通信機器の購入や酒屋での支出額が増加している。リモートワークへの移行に伴う機器・システムや、郊外での生活に必要な商品の需要が拡大していることが背景にある。ロシア最大手行ズベルバンクが4月15日、消費行動に関する調査結果を発表した。
4月6~12日の支出額は、数多くの分野で前年同期比50%以上と大きく落ち込んだ一方、特定の製品・サービスでは顕著な増加がみられた(表参照)。
最も伸びが大きかったのは通信機器(電子デバイス、ルーター、データ転送システム接続機器など)で、前年同期比36.7%増となった。次いで、酒屋(32.1%増)、食料品店(10.1%増)での支出が増加した。ズベルバンクは通信機器について、ロシアで多くの労働者がリモートワークに移行しているため高い需要が発生したと説明。酒屋については、市民が食品や外食の配達サービスの対象地域外である郊外に移動し、郊外で過ごす際に好んで購入する酒類の販売が伸びたのではないかと分析している。
大手行VTBは、4月第2週にはビューティーサロン(注1)での支出額が前週に比べ3.5倍に急拡大したと発表している(VTB発表4月14日)。外出禁止令が実施される中、モスクワ市・州が4月4日に医療活動ライセンス(注2)を有するビューティーサロン、コスメティックサロン、スパサロン、マッサージサロン、日焼けサロン、入浴・サウナ施設などの営業を許可したことを受け、ライセンスがあるビューティーサロンでの支出が増加したかたちだ。
(注1)ロシアでは一般的に美容室のことを指す。ただし、散髪、パーマ、カラーリングだけでなく、マッサージ、ネイルサロン、メークアップなども行うのが一般的。
(注2)ビューティーサロンで、医療マッサージやスレッドリフト、プラズマ療法など外科的美容サービス、栄養学に関するアドバイスなどを行う場合、ライセンス取得が必要となる。
(齋藤寛)
(ロシア)
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