最低限の生活インフラ、社会生活基盤は維持

(バングラデシュ)

ダッカ発

2020年04月10日

現在バングラデシュでは、新型コロナウイルス感染拡大対策として、政府機関や企業の休業および自宅待機要請が4月14日まで実施されている。これには、医療サービス、薬局、青果市場、スーパーマーケット、また電気、水道、ガスなどの緊急サービスは対象外となっている。

スーパーマーケットは開業しており、通常どおり買い物ができている。商品の在庫については、精肉や野菜などが不足してきている店舗もあるようだが、大幅な品薄状況にはなっておらず、他国で見られるような入店制限などはあまり見られない。移動時には、検問所で警察官などから質問を受けることがあるが、パスポートなどの身分証明書を掲示し、外出の目的を明確に伝えれば基本的には検問を通過することができる。それでも外出を中止させられる場合は、外交団警察外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますにも相談が可能だという。しかし、国内の新型コロナウイルス感染者数は増加傾向にあり、地域ごとの都市封鎖(ロックダウン)も実施され始めた。引き続き不要不急の外出は避け、自宅待機することが求められる。

また、電気、水道、ガスなどの生活インフラの維持は問題なく行われている。電気や水道は、固定料金または従量制で後払いであることが多く、ハシナ首相が水道光熱費の支払い延長が可能である旨を通知したため、特段の問題は報告されていない。

こうした中、生活インフラの維持に一役買っている進出日系企業がある。ダッカ、チョットグラムで家庭用ガスの利用にプリペイド型メーターの導入を進めるヘリオス・ホールディングスは、休業要請期間中も取り組みを継続している。同社によると、同期間は家庭用ガス利用のためにプリペイドカードに入金するチャージ拠点として、当初47カ所のみ開店予定だったが、食品や日用品の販売店に併設されているチャージ拠点が多いため、実際には200程度が稼働しているという。また、現在は24時間体制でサポートを実施しており、最寄りのチャージ拠点が閉店している場合は、利用者からホットラインに電話があれば、緊急時のクレジットを利用できるようにしている。緊急時でチャージができない場合のために、元々200タカ(約260円、1タカ=約1.3円)分のクレジットがガスメーターに付与されていたが、この休業要請期間中は2,000タカ(約2カ月分に相当)分に増額し、対応しているという。

(安藤裕二)

(バングラデシュ)

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