連邦政府、マスクや手袋、防護服などの流通・販売を規制

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2020年04月08日

ロシア政府は4月6日、医療用マスクや手袋、防護服などの医療機器の流通・販売を規制する連邦政府決定を発表した(2020年4月3日付第431号)。連邦政府決定は発表日に発効している。

対象となるのは、マスクフィルター、医療用マスク、ガーゼ、医療用手袋、不織布材料の使い捨て医療キット、防護服、プライマリ・ヘルスケアおよび応急処置用途の個人向け医療防護キット。国家コーポレーションであるロステフの子会社、ロスヒムザシタ(RKHZ、注1)が、これらの医療機器に関して地方政府から在庫ブラック ジャック アプリと住民への供給必要量についてブラック ジャック アプリ収集を行い、ロシア全土に供給する唯一の連邦事業者となる。卸売りが許可されるのはRKHZおよび医療用医薬品の取り扱い許認可を持つ地方の事業者のみ。小売り販売については医療用医薬品の販売・調剤ライセンスを有している事業者に限られる。いずれも卸売りにおけるマージンは10%以下に、小売りでは製品1個当たり10コペイカ(約0.14円、注2)以下に抑えなくてはならない。なお、これらの卸売りと小売りに関わる事業者を限定する規制は発効日から90日間のみ有効な時限的措置だ。

今回の措置の背景には、ロシア国内で発生している対象製品の流通不足や価格高騰の問題がある。プーチン大統領は3月26日に、医薬品・医療機器の価格高騰を受け、これらに価格統制をかけることを可能とする連邦法に署名している(関連カジノ 無料 ゲーム アプリ)。

ロシアは日本と同様に国内でのマスクの増産に注力している。特別経済区「ウリヤノフスク」のオレグ・バラバノフ社長は4月3日、自身のSNSにて医療機器メーカー「HTMグループ」が外科用使い捨てマスクの生産を決定したと明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた需要急増に基づくもので、第1段階では4月中にマスクを1日20万枚、次の段階ではFFP3クラスの防護マスクを1日10万個生産する予定だ。

スベルドロフスク州のエフゲニー・クイバシェフ知事によると、同州では現在41社がマスクや防護服などを生産している。内訳は医療マスクが日産4万5,000枚、再利用可能な布マスク6万6,800枚、使い捨てマスク2万4,700枚、使い捨て防護服1,400枚、医療用ガウン・その他保護具6,800枚とされる(「コメルサント」紙4月5日)。

なお、ロシアではマスクや医療現場で用いる防護服、ゴム手袋、抗ウイルス剤などの製品の輸出が6月1日まで一時的に禁止されている(2020年3月6日記事参照)。一方、輸入医薬品やマスクなどの医療用品に対する付加価値税(VAT)を9月末まで免除する連邦政府決定が4月2日に発表された(ブラック ジャック ルール)。

(注1)2003年設立の個人・集団向けの呼吸保護器具の開発・製造会社。

(注2)コペイカはルーブルの100分の1の単位。

(齋藤寛)

(ロシア)

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