アルゼンチン政府、約688億ドルの公的債務再編案を政令で公布
(アルゼンチン)
ブエノスアイレス発
2020年04月23日
アルゼンチン政府は4月22日、約688億ドルの公的債務再編を目的とした政令391/2020号を公布した。債権者に対して新規のドル債やユーロ債への交換を提案する内容となっている。4月16日には、マルティン・グスマン経済相による債務再編策の概要発表が行われたが(2020年4月17日記事参照)、その後債権者側からは同提案を拒否する声明も出ており、今後両者による交渉が行われる見通し。
同政令では、外国法に基づいて発行された公的債務について、債権者は、新たに発行されるドル建ておよびユーロ建て債券を選択することができる。アルゼンチン政府は、3年間の返済猶予期間を通じて、元本で36億ドル相当、利払い分で379億ドル相当の債務削減を目指している。なお、今回の政令では、通貨別の債券発行額の上限を設けており、ドル建てでは445億ドル、ユーロ建てでは176億ユーロとしている。
一方、債権者の反応について現地アンビト紙(4月20日付)は、債権者グループの一つであるアルゼンチン債権者委員会は、今回の政府の提案内容が期待値を大きく下回るものであり、政府との協議も十分に行われていないとして、「提案を受け入れない」とする声明を行った。グスマン経済相も債権者の反応は想定内だとしており、5月8日の債務再編案に対する交渉期限に向けて、債権者側と政府による交渉が本格化する。
(紀井寿雄)
(アルゼンチン)
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