ADB、ラオスの2020年経済成長率見通しを3.5%へ引き下げ
(ラオス)
ビエンチャン発
2020年04月16日
アジア開発銀行(ADB)が4月3日に発表した「アジア経済見通し2020年版(Asian Development Outlook 2020)」によると、ラオスの2020年の見通しについては、周辺国における経済成長率の下降傾向に加えて、新型コロナウイルスの影響により、観光、投資、貿易、サービスが総じて低下し、実質GDP成長率は3.5%に落ち込むと予測した。2019年9月の同レポートでは、2020年は6.2%成長を見通していたため、予測は大きく下方修正されたことになる。他方、2021年には6.0%に回復するとした。
2020年においては、サービスセクターの成長率が、同セクター全体の低迷傾向に加え、とりわけ観光、輸送、卸・小売りなどの不振により、前年比5.9ポイント減の1.3%にとどまるとした。2019年は観光業を中心に伸びていた。一方、農業セクターは前年比2.7ポイント増の2.5%へと回復するとした。2019年の同成長率は、洪水・干ばつ、アフリカ豚熱(ASF)により落ち込んでいた。工業セクターも、電力の輸出増加や大型事業の建設が進むことで、5.7%(前年比1.6ポイント増)となると見込んだ。2019年の同成長率は、干ばつによる水力発電への悪影響がみられた一方、鉄道、高速道路、経済特区など大型プロジェクトにより、建設が16.8%増と同セクターの成長を牽引していた。また、輸出総額は4.0%増となる見通し。
なお、新興工業経済地域(NIEs)を除いたアジアの開発途上国の経済は新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受け、2020年は急激に成長が減速し、2019年の5.7%から、2020年は2.4%へ低下するとした。
(山田健一郎)
(ラオス)
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