大統領、ロックダウンの段階的緩和を発表、5月1日から実施
(南アフリカ共和国)
ヨハネスブルク発
2020年04月27日
南アフリカ共和国のシリル・ラマポーザ大統領は4月23日の国民演説で、5月1日から段階的にロックダウンを緩和すると発表した。4月23日時点で新型コロナ感染者数累計3,953人(死者75人、総検体数14万3,570件)と感染拡大が続く南アでは、3月27日~4月30日まで国内全域を対象に厳しい外出規制を課す「ナショナル・ロックダウン(関連ブラック ジャック カード)」が実施されている。しかし、経済に与える影響が甚大であることから、ロックダウンの早期緩和を望む声が産業界や市民から上がっていた。
ラマポーザ大統領は、「ロックダウンの効果は確実に表れている。感染拡大抑制にはロックダウンが最良の方法ではあるものの、永久には続けられない」とし、緩やかに、かつ段階的に経済活動を再開していくべきと述べた。その上で、専門家らのアドバイスをもとに、慎重にロックダウンの緩和を図る「リスク調整戦略」を実施するとし、地域の新型コロナウイルスの感染拡大状況に応じ、以下の5段階の警戒レベルに分類するとした。
- レベル5:感染拡大抑制のため厳格(drastic)な措置が必要(現在のロックダウン)
- レベル4:感染予防に対する厳重な注意を払った上で、いくつかの活動の再開を認める
- レベル3:仕事や社会的活動を含むいくつかの制限の緩和
- レベル2:さらなる制限の緩和。しかし、物理的距離を維持し、いくつかの娯楽・社会的活動については制限
- レベル1:常に感染に注意を払うことを前提とし、ほとんどの通常活動を認める
大統領は現在全土が警戒レベル5の状態だが、国家コロナウイルス指導評議会が5月1日から全土をレベル4に引き下げる決定をしたとし、これはいくつかのビジネスは再開可能であるという意味だと述べた。
また、政府は産業ごとの感染拡大リスク、ロックダウンによる影響、経済への貢献度、生計への影響を考慮して経済活動の分類を進めているとし、近く各担当相から詳細を説明すると述べた。他方で、在宅勤務が可能な企業はそれを継続するべきだとし、また帰国する南ア人および外国人以外の国境の封鎖(物流は除く)、物資の輸送以外の州間の移動の原則禁止のほか、警戒レベルにかかわらず集会(葬儀を除く)や会議、娯楽、スポーツイベントなども禁止を継続するとした。
(高橋史)
(南アフリカ共和国)
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