4月10日まで外出を規制、医薬品成分の輸出も禁止
(ハンガリー)
ブダペスト発
2020年04月01日
ハンガリー政府は3月27日、新型コロナウイルス感染拡大防止に関する追加対策措置に関する政令を発表した。翌28日から4月10日まで有効。要点は以下のとおり。
- 同一世帯に居住する者を除き、他人との社会的接触を最小限にし、対人間隔は可能な限り1.5メートルを保つ。
- 従業員を除き、接客を行う店舗への滞在を禁止。食べ物の持ち帰り販売とデリバリーは例外。
- 外出は、通勤、子供の付き添い、医療サービス、スポーツ活動、日用品(食料品、医薬品、衛生用品、燃料、タバコなど)の買い物、宗教的活動、近親者の婚姻や葬儀などに限定される。
- 買い物の時間帯も制限。午前9時から正午までの間は65歳以上の者のみ、食料品店、ドラッグストア、市場および薬局で買い物が認められる。
- 本政令に違反した場合,警察は法律に基づいた措置および強制手段を行使できる。また5,000フォリント(約1,650円、1フォリント=約0.33円)から50万フォリントの罰金が科される。
マジャール・スズキ、メルセデス・ベンツなどが生産停止を発表
こうした状況の中、製造業各社の生産停止が現地メディアで報じられている。マジャール・スズキは3月23日から4月3日まで生産を休止する。3月20日から2週間の予定で生産を停止しているメルセデス・ベンツのケチケメート工場は4月21日まで停止期間を延長。コンチネンタルは3月30日から一時的に生産を停止。また、タイヤメーカーのハンコックタイヤは3月30日から4月7日まで生産を停止。鉄道車体のスタドラーは3月23日から4月17日まで、ソルノクにある車体工場のシフト数を削減すると報じられている。
また、ハンガリー政府は3月25日、新型コロナウイルスの治療にも使用している医薬品原料のヒドロキシクロロキン硫酸と同原料を含む製品の輸出を即時禁止する政令を発表、即時発効した。ハンガリーは同原料の世界最大の輸出国の1つだが、国内供給を優先するための措置。2019年のハンガリーから日本へのヒドロキシクロロキン硫酸(注)の輸出額は57万3,075ユーロ。
(注)HSコード:293339の輸出額
(奥村明子)
(ハンガリー)
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