5月4日以降の緩和策を発表、一部経済活動も再開
(イタリア)
ミラノ発
2020年04月30日
イタリアのコンテ首相は4月26日、5月3日が期限となっている移動や商業・生産活動の制限措置後の緩和策を発表、翌27日に官報に掲載された。5月4日から17日までの2週間の措置につき、主な内容は以下のとおり。
【移動、市民生活】
- これまでは厳しい移動制限措置が敷かれていたが、職務上、あるいは健康上などの必要性の高い事由に加えて、親族に会うために州内を移動することが可能となる。州外への移動については、自宅に戻る場合が新たに認められたものの、引き続き職務上、健康上などの理由を除き禁止。
- 人が集まる行動は、公的・私的空間を問わず引き続き禁止。また、公共交通機関に乗る際はマスク(注1)の着用を義務付け。
【経済活動】
- 生産活動については、製造業、建設業、不動産仲介業、卸売り業などの稼働が認められる(注2)。これら5月4日から活動を再開する企業は、衛生管理などの稼働再開に向けた準備活動を4月27日より行うことができる。ただし、企業活動は、生産活動が安全な状況で行われることが前提であり、各州は感染拡大の進行状況や衛生システムの適正さを日々モニタリングすることが求められており、感染拡大などがみられる場合、企業活動の停止措置を提案する。
- 食料品店、薬局などを除く小売店は、5月17日までは引き続き閉鎖。
引き続き感染防止への警戒を呼びかけ
コンテ首相は、あらゆる犠牲のおかげで感染拡大を抑え込むことができつつあるとし、国民の協力と理解に謝意を示した。一方、今後はウイルスとの共生を模索する次の段階に突入し、この新たな段階「フェーズ2」では、感染拡大に再度火が付く可能性があることを意識する必要があるとした。加えて、「フェーズ2」ではソーシャルディスタンスの維持がより一層重要となり、家族間でも守るよう訴えた。また、ソーシャルディスタンスに加えて個人用防護品の活用も重要だとし、サージカルマスクの最高価格を0.5ユーロと定めることを発表した。
(注1)適切な防護をする多層構造の素材でできており、快適さと呼吸可能性を保証するものであれば、コミュニティで作ったマスク、使い捨てマスク、洗浄可能なマスク、自家製マスクであっても可。
(注2)再開が認められる業種一覧の詳細については、官報の別添3(Allegato 3)を参照。なおこのリストは、経済・財務相の助言のもと、経済開発相が変更を加える可能性があることとなっている。
(山崎杏奈)
(イタリア)
ビジネス短信 9935bc6757cae9d0