ブラック ジャック 必勝 法、重層的に企業支援措置を整備
(ベルギー)
ブリュッセル発
2020年04月24日
ベルギーのブリュッセル首都圏地域政府は4月16日、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた企業向けに追加の経済支援策を発表した。同地域政府は既に4月8日から、営業停止の対象となった企業(注1)に対する4,000ユーロの助成金(prime)のオンライン申請受け付けを開始していた。
今回の主な追加措置は次のとおりだが、詳細条件は検討中で、4月22日時点ではまだ申請できない。
- タクシーと運転手付き車両の貸出事業者への3,000ユーロの給付
- 新型コロナウイルス対策で導入した措置の影響によって売上高が大幅に減少した従業員5人以下の零細企業への2,000ユーロの給付
- 営業を停止した企業向け助成金の対象を、レンタルビデオ店、洗車店、書店、不動産業者にも拡大
ベルギーでは、社会保障を連邦政府が、経済政策を各地域政府が担うなど、分野ごとに管轄する行政レベルが異なる。新型コロナウイルス感染拡大に対して、連邦政府と北部のフランダース地域、南部のワロン地域もそれぞれの管轄権限分野で企業支援策を発表している。
フランダース地域は幅広い業種を対象に支援
フランダース政府(注2)は、新型コロナウイルス感染拡大対策として、営業停止の対象となったフランダース地域内の企業に、4月19日までの営業停止について4,000ユーロの助成金(prime)を給付し、以後、営業停止が1営業日延長されるごとに160ユーロを支給。ウェブショップ、テークアウトや宅配の営業を行う場合も、実店舗が閉鎖されていれば給付対象としている(5月19日までオンラインで申請、対象業種は同地域政府ウェブサイトを参照)。
また、営業停止対象外の事業者(緊急時のみ許可される特定の医療専門職、必須の食品サービスを提供しているが売り上げが大幅に減少している企業など)についても、3月15日~4月30日の売り上げが前年同期比で60% 以上減少した事業者には、3,000ユーロ(副業として事業を営んでいる場合は1,500ユーロ)を給付する予定だ。4月22日時点でまだ受給申請はできないが、フランダース政府は5月1日からのオンライン申請受け付けを目指している。
ワロン地域政府も、3月18日に企業向け支援策を発表済みだ()。
連邦政府は社会保障面で支援
以上のように、各地域政府が経済政策を担う一方、連邦政府は社会保障分野での支援策を打ち出している。
連邦政府は3月6日に企業・独立事業者向けの支援措置を発表し、一時帰休制度(注3)における支給率を引き上げた。その後さらに、新型コロナウイルスの影響による一次帰休は全て、3月13日~5月31日までは「不可抗力による一時帰休」として扱うこととし、雇用者による手続きを簡略化した。
個人事業主(travailleurs indépendants)に対しては、連邦政府は3月6日、困難な状況が新型コロナウイルスに関連している場合、2020年上半期の社会保障費の支払いについて、1年間の利息なしの期限延期にするか、もしくは免除する予定と発表した。
連邦政府は4月11日に、以下を含む追加的措置を閣議で採択している。
- 法的倒産手続きの一時凍結
- 医療関連サービスなど「必要不可欠な部門」の残業時間の6月30日までの免税
- 一時帰休中の労働者が林業・園芸部門で就労し、フルタイムの就業日についてはその給与と一時帰休の給与補填(ほてん)額75%相当を得られるようにする
(注1)4月16日の発表より前に既に対象であり21日時点で受給申請可能なのは、ブリュッセル首都圏地域に拠点を構え、営業停止を余儀なくされた、常勤相当の従業員数50人未満の商業やホテル・カフェ・レストラン分野の独立事業者(indépendant)を含む全ての企業。対象業種リストはブリュッセル首都圏地域ウェブページで掲載中、更新の可能性あり。申請は6月1日までに行う必要がある。
(注2)地域政府と言語共同体政府が一体化しているため、「地域政府」ではなく「政府」と訳した。
(注3)一時帰休(chomage temporaire)制度:雇用主が従業員に支払う一時帰休(部分的休業)中の給与の一部を国が補填する制度。支給率は2月1日から6月30日までの間、平均月収の65%から70%(ただし、2,754.7ユーロ上限)に引き上げられた。
(大中登紀子)
(ベルギー)
ビジネス短信 9845e205780eaa64