ロシアのLCCポベダ、5月末まで国内外の全路線を運休
(ロシア)
モスクワ発
2020年04月01日
ロシア国内での新型コロナウイルス症(COVID-19)の拡大に伴い、大手航空会社アエロフロート傘下の格安航空会社(LCC)ポベダ(注)は3月27日、4月1日から5月31日まで国内外全ての路線の運航を休止すると発表した。
今回の一時的な運航休止について、ポベダのアンドレイ・カルムィコフ社長は「(国際航空便の運航を停止する)政府の決定(2020年3月27日記事参照)に完全に沿うもの。今最も重要なことは市民の健康を守ることだ」と説明した。ロシア政府は今のところ国内線の運航を制限していないが、国内線も休止とすることで、国内の感染拡大防止に寄与したい考えだ。
他方、既に新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けてロシアの各国内線の乗客数は大幅に減少しており、需給の観点からも通常の運航スケジュールの維持は難しい状況となっている。ロシアの空港会社団体である国際空港協会(IAA)によると、ロシアの各空港では4月にはほとんどの運航を停止する可能性があるという。航空業界の利益損失や従業員削減、経営破たんを防ぐため、IAAは3月24日にミハイル・ミシュスチン首相に対して緊急の産業支援措置を求めた。
連邦消費者権利保護・福利監督局(ロスポトレブナドゾル)によると、3月27日時点のロシア国内の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の患者数は1,036人で、うち7割はモスクワで発症しており、地方の感染者数は現時点ではそれほど多くない状況だ。
(注)2014年創業。ハブ空港はモスクワのブヌコボ空港。国際便の主な就航都市はベルリン、ローマ、ミラノ、ドバイなど、国内便はサンクトペテルブルク、カザン、ノボシビルスク、ソチなどに就航している。
(戎佑一郎)
(ロシア)
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