第1四半期の輸出入、化学・医薬品が過去最高額を更新
(スイス)
ジュネーブ発
2020年04月30日
スイス連邦関税局は4月21日、2020年第1四半期(1~3月)の貿易統計を発表した。輸出は、前期比1.0%増の578億スイス・フラン(約6兆3,580億円、CHF、1CHF=約110円)となった。輸入は、2.8%減の494億CHFで、前期に続き減少した。新型コロナウイルスの影響で多くの品目で輸出入とも減少したものの、化学品・医薬関連品が輸出入ともに過去最高額を更新し、貿易黒字も拡大して83億CHF(前期より20億CHF増)となった(添付資料表1参照)。
品目別にみると、輸出では、化学品・医薬関連品(前期比5.6%増)が305億7,800万CHFと過去最高を更新し、全体を牽引した。特に製剤用有効成分(9.6%増)と医薬品基礎材料(11.2%増)の輸出が伸びた。新型コロナウイルス感染症が本格的に欧州で拡大し始めた3月に、主にイタリアやドイツに向けて医薬品の輸出が増えた。装身具・宝飾品も2.9%増と拡大した。そのほかは、全ての品目で減少した。
輸入は、前期比2.8%減となり、輸送用機器(23.7%減)、中でも航空機関連製品の減少(67.5%減)が影響した。機械および電気・電子機器(0.6%減)、金属(3.0%減)などは前期に続き減少した。一方、輸入額全体の約4分の1を占める化学品・医薬関連品(1.9%増)は135億6,200万CHFと過去最高を記録し、装身具・宝飾品(1.4%増)と食品・飲料(1.0%増)は微増した。
輸出をブラック ジャック 必勝 法みると、米国向けが前期比9.1%増加した。欧州向けは0.7%増と緩やかに伸び、中でも特にオーストリア向け(30.2%増)、アイルランド向け(49.7%増)が化学品・医薬関連品輸出の増加により大きく伸びた。アジア向けは1.1%減となった(添付資料表2参照)。
輸入では、米国が前期までの好調から一転し、14.0%減となった。欧州は、フランス(14.8%増)やオーストリア(11.8%増)は増加したが、ドイツ(2.0%減)、英国(26.1%減)、アイルランド(18.2%減)の減少が影響し、全体では4四半期連続の減少(0.7%減)となった。アジアは、香港(2.1倍)が大きく伸びており、これはトイレットペーパーなどの衛生用品の輸入増が一因だ。一方、中国(3.0%減)やアラブ首長国連邦(13.3%減)、日本(3.0%減)は減少した。
(城倉ふみ、竹原ベナルディス真紀子)
(スイス)
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