アフリカ・スタートアップ向け救済ファンド立ち上げ
(ケニア、アフリカ)
ナイロビ発
2020年04月02日
新型コロナウイルス感染拡大で打撃を受けるアフリカのエコシステムが、さまざまな取り組みを講じている。ナイジェリアのアクセラレーターCo-Creation Hub(CcHUB)やVentures Platformは、ラゴス州科学研究・イノベーション協議会(LASRIC)とパートナーシップを締結し、新たなファンドの組成を発表した。ゲノミクス・スタートアップの54gen(ナイジェリア)は、新型コロナウイルス検査態勢を拡充するため「COVID-19テスティングファンド」設立を発表、既に50万ドルを調達したと報じられた。東アフリカでは、デットファンド(融資ファンド)のエクアライフが救済ファンドを組成すると発表した。
アフリカは新興市場で、アーリーステージへの資金呼び込みに苦労する先進国に比べて小ぶりなディールが多く、その潜在力が注目されている。しかし、現地金融機関の資金力が乏しく、スタートアップの資金繰りは厳しいことが多い。医療基盤の弱さが指摘されるアフリカでは、新型コロナウイルス感染拡大の早い段階で空港の閉鎖や外出禁止令(ロックダウン)を実施した国も少なくない。厳しい経営を強いられるスタートアップにとって、経済の急速な停滞は大きな痛手だ。
エクアライフ創業者でマネジングパートナーのアマンダ・コッターマン氏は4月1日、カジノ 無料 ゲーム アプリ取材に対し、「新型コロナウイルスの影響で、アフリカのスタートアップのキャッシュフローはより悪化するだろう」と述べた。デット・ファイナンスは、株式を発行して資金調達するエクイティ・ファイナンスとは違って返済義務があり、銀行の融資が可能となるまでの中継ぎとして、資金繰りに苦労するスタートアップの需要が伸びているという。コッターマン氏は「アフリカ・スタートアップの生き残りには、短期ローンやグラントが必要」と話した。エクアライフは4月15日までに、2,000万ドルを調達するとしている。救済ファンドの返済期間は6~24カ月と長く、年利は5~10%と低く設定する。「今は世界各地が難しい局面を迎えている。アフリカのエコシステムも正念場だ」とした。
(久保唯香)
(ケニア、アフリカ)
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