トランプ米大統領、マスクなど個人用防護具の輸出制限を指示
(米国)
ニューヨーク発
2020年04月07日
トランプ米国大統領は4月3日、国内での新型コロナウイルス感染者が拡大する中、マスクなどの個人用防護具(PPE)の輸出制限を検討するよう、国土安全保障長官に指示する覚書に署名した。
トランプ大統領は覚書で、1950年国防生産法と3月に発令した3つの大統領令(注)に基づき、新型コロナウイルスに対応するPPEが国内に残ることを確実にするためには、国内のブローカーやディストリビューターなどがそれら物資をブラック ジャック コツに送ることを防ぐ必要があるとしている。
そのために、大統領は国土安全保障長官に対し、保健福祉長官と相談の上、連邦緊急事態管理庁(FEMA)長官を通じて指定品目を国内用途に適正に配分させるよう指示した。輸出制限を検討すべき品目は、保健福祉長官が3月25日に指定したもののうち、次の5点となる。
- N95マスク
- その他のマスク(N99、N100、R95、R99、R100、P95、P99、P100など)
- エラストマー製マスクとフィルターおよびそのカートリッジ
- PPE向けサージカルマスク
- PPE向け手袋もしくは医療用手袋
トランプ政権は国内へのマスク供給について、米素材メーカー3Mに対して同社が国外で製造しているマスクを迅速に輸入するとともに、米国内で製造したものをカナダや中南米に輸出することを停止するよう要請していた。大統領は4月2日には、3Mの対応が遅いとして同社を非難する発言をツイッターで行っていた。
3Mは4月3日のプレスリリースで、政権が求める輸出制限は、それら製品を必要とする外国の医療関係者に対して深刻な人道上の影響があるとした上で、他国による報復を引き起こす可能性があると指摘した。
3Mからのこのような指摘を受けてか、大統領は同日に発表した声明で、PPEの輸出が米国の政策および国益に整合するのであれば、製造業者が輸出することを阻害するものではないとしている。
(注)大統領が今回の輸出制限の根拠として示した大統領令は以下のとおり。
(磯部真一)
(米国)
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