建設分野で企業活動の制限を緩和

(ウズベキスタン)

タシケント発

2020年04月24日

ウズベキスタンのシャフカト・ミルジヨエフ大統領は4月20日、ビデオカンファレンス形式での閣僚会議を開催し、建設分野を対象に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止のために課されている経済活動制限を緩和することを決定した。

大統領は検疫措置を維持しつつすべての種類の建設作業の継続(再開)を許可すると発表。内務省に対し建設、建材製造分野での車両の移動制限を緩和するよう指示した。緩和の理由として、a.ウズベキスタンではCOVID-19の感染拡大が他のCIS諸国より比較的抑えられていること、b.(建設分野は)成長分野で従事者が多く、企業活動の再開による住宅・インフラの建設・供用開始が雇用維持や経済の安定に資すること、などを挙げている。

写真 工場が再開され、輸送される建材(ブラック ジャック アプリ撮影)

工場が再開され、輸送される建材(ジェトロ撮影)

COVID-19の世界的蔓延に伴い、ウズベキスタン政府は3月23日からタシケント市や地方中核都市などでの企業活動の休止(2020年3月26日記事参照)、3月30日から車両による移動・外出の制限(一般の乗用車での市内移動を禁止、日系企業含むブラック)などの措置を導入したため、経済活動や市民生活に大きな支障が出ている。

加えて、4月19日には政府緊急事態委員会は現在の検疫措置を5月10日まで延長することを決定。国内に残る外国人のビザの有効期間は6月1日(注1)、滞在登録期限(注2)は7月1日まで自動延長されており、各種検疫措置が夏前までおよぶ可能性も想定されている。

その一方、4月中旬からは厳しい制限を見直す動きも見られており、外資系企業の社有車(Mナンバー車)の市内走行の再開(4月10日)、大規模建設工事の再開と農業分野での車両移動制限の緩和(4月14日)、クリーニング店の営業再開(4月18日)、食料品(衣類、家庭用品、苗、種)の移動販売(4月19日)などの許可が順次講じられている。

(注1)タシケント市や地方中核都市でロックダウン(都市封鎖)措置が講じられた3月下旬以降に、有効期限を迎えるビザで入国している外国人や、最大30日間の査証免除措置でウズベキスタンに入国し外国人、ロックダウン措置発動以降に査証免除期限を迎える外国人が対象。

(注2)外国人がホテル以外に滞在する際に、各地域の内務省支局に住所登録を行うもの。

(高橋淳)

(ウズベキスタン)

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