豪政府、企業に対して従業員の賃金を支給へ
(オーストラリア)
シドニー発
2020年04月01日
オーストラリアのスコット・モリソン首相は3月30日、新型コロナウイルスの影響を受けた最大600万人の雇用維持のため、1,300億オーストラリア・ドル(約8兆8,400億円、豪ドル、1豪ドル=約68円)の経済支援策を発表した。これによって、連邦政府の経済支援策は、国内総生産(GDP)の16.4%に相当する、総額3,200億豪ドル(約21兆7,600億円)となる。
年間売上高が10億豪ドル未満かつ1カ月当たりの収益が30%以上減少した企業(NPOや個人事業主を含む)、および年間売上高が10億豪ドル以上かつ1カ月当たりの収益が50%以上減少した企業を対象に、今後6カ月の間、被雇用者1人につき、隔週1,500豪ドルが支給される。この金額は、平均賃金の約70%に相当し、宿泊、外食、小売りなどの最も影響を受けた産業における平均賃金と同等の水準になる。
対象となる被雇用者は、オーストラリア人または永住者などのうち、2020年3月1日時点でオーストラリア税務局に登録され、引き続き雇用されている全ての従業員(フルタイム、パートタイム、12カ月以上雇用されている非正規契約社員)で、帰休状態にある者も含まれる。支払いは、オーストラリア税務局を通じて行われ、5月第1週から開始されるが、3月30日までさかのぼって支給される。
銀行による支援も拡大
また、オーストラリア銀行協会(ABA)は同日、ローンの返済を6カ月猶予する支援策について、これまで債務総額300万豪ドル未満の小規模企業向けとしていたところ、最大1,000万豪ドルまで支援対象を拡張すると発表した。当該措置は全ての産業分野に適用されるが、商業用不動産のオーナーについては、テナントへ立ち退きを求めないことを条件に支援を受けることができる。これによって、支援対象は42万5,000社まで拡大し、融資額は最大2,500億豪ドルとなる。
(住裕美)
(オーストラリア)
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