ドイツでも新型コロナウイルス感染例が急増、多くの産業見本市が延期に
(ドイツ)
デュッセルドルフ発
2020年03月05日
世界規模で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、ドイツでも感染者が急増している。連邦保健省関連で疾病監視・予防を専門とするロベルト・コッホ研究所(RKI)の発表によると、3月3日午後3時現在の感染者は196人で、感染地域も多くの州に広がっており、警戒感が高まっている。
政府主導の危機管理チーム発足、日本も管理強化対象国に
連邦内務省と連邦保健省は2月27日、危機管理チームの設立を発表し、翌28日に新型コロナウイルス感染に対する健康安全対策を採択した。これまでは、ドイツに到着する全ての航空機と船舶について、体調不良の把握状況についての報告を入国前に運営事業者に義務付けることに加えて、中国からの搭乗者・乗船者については空路・海路での入国時に所在追跡と機長・船長による乗客の健康状態の監視・報告の義務を課していた。
28日に採択された措置は、中国のみに課していた乗客の健康状態の報告義務対象を、イタリアと韓国、イラン、日本にも拡大するもの。鉄道やバスなどの陸路についても規制を強化し、越境路線の乗客に対し疾病予防に関するカジノ 無料 ゲーム アプリを配布する義務を新たに課した。長距離・地域列車については、これまで、感染の疑いがあるケースが見つかった場合に連邦警察は下車時に特定のフォームへの記入を求めるとともに、鉄道会社には当局への報告を義務付けていたが、連邦警察はこの管理を国境30キロ圏内で強化し、感染者を確認した際には地元の保健当局と連携して必要な措置を取ると発表した。
危機管理チームは大規模イベント・見本市の開催に関し、RKIによるリスク評価を考慮した上で、中止を検討するよう勧告した。これを受け、3月4~8日にベルリンで開催する予定だった観光産業の世界最大規模の見本市「ITB」が中止になったほか、デュッセルドルフで開催予定だった国際ワイン・アルコール飲料展「プロワイン(ProWein)」や、国際ワイヤー産業展「wire」、国際管材製造加工・技術展「Tube」、欧州エネルギー貯蔵国際展示会・会議「Energy Storage Europe」などの見本市や会議の延期が次々と決定するなど、産業界にも大きな影響が出ている。
(ベアナデット・マイヤー、森悠介)
(ドイツ)
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