キリンホールディングス、ブラジル子会社株をキッコーマンへ譲渡
(ブラジル)
サンパウロ発
2020年03月23日
ブラジルで清酒や食料品の製造・販売を行う東麒麟飲料食品製造販売会社(以下、東麒麟社)は3月16日、親会社であるキリンホールディングス(以下、キリンHD)が保有する東麒麟社の株式をキッコーマンへ譲渡することを発表した。
東麒麟は1934年に三菱財閥3代目総帥の岩崎久弥氏によって設立された企業で、1975年にキリンビール社が資本参加した。その際、生産拡大の目的で清酒工場を新たに建設している。
東麒麟は「キッコーマン・ド・ブラジル(KIKKOMAN DO BRASIL INDÚSTRIA E COMÉRCIO DE ALIMENTOS E BEBIDAS LTDA.)」に社名を改めるが、取締役社長は尾崎英之氏が継続する。
東麒麟がこれまで製造・販売していた清酒「東麒麟」や、あきたこまち種で製造された「弥勒米」、現地で生産するしょうゆ「AZUMA」などの製造・販売は継続する。将来的にはキッコーマンが現在輸入するしょうゆのブラジル現地生産を目指す。
キリンHDは、2017年にブラジルでビール製造販売を開始したBRASIL KIRIN社をハイネケンに売却しており、今回の株式譲渡で南米から撤退することになる。ただし、ハイネケンによる「キリン一番搾り」の委託製造は継続する。
(山本祐也)
(ブラジル)
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