ケニア、25日の深夜以降、貨物便を除く国際線の運航を停止
(ケニア)
ナイロビ発
2020年03月25日
ケニア政府は3月22日夕刻(現地時間)、緊急会見を開き、新たに8人の新型コロナウイルス感染者を確認したと公表した。8人のうち5人がケニア人、2人がフランス人、1人がメキシコ人で、いずれも外国からの帰国者だった。ケニアでは13日に初の感染者が確認されてから約10日で、15人となった。全員、容態は安定しているという。
感染の拡大を受けケニア保健省のムタヒ・カグウェ長官は、3月25日の深夜以降、貨物便を除くすべての国際線の運航を停止すると発表した。また、会見後から25日深夜までにケニアへ入国する場合、国籍に関わらず政府指定の病院において個人負担で隔離措置を受け、過去14日間の間に入国した場合は強制的に自主的隔離措置を受けなければならないとした。深夜のバーやクラブは当面の間、営業停止とし、飲食店は持ち帰りのみ許可される。加えて、国民に対し自宅で待機するよう呼びかけ、集会だけでなく道端での会話なども自粛するよう呼び掛けた。
ケニアの航空貨物の多くは旅客便を活用しており、貨物便を除くとは言え国際線の停止は物流に影響を与えそうだ。特に、例年12月~5月にピークを迎える切り花の輸出は打撃を受け、すでに大量のバラが廃棄されている状態だという。また、ケニア政府は3月20日には、スーパーマーケットへの入場制限、青空市場での定期的な消毒処理の義務化、公共交通機関(乗り合いバスなど)は乗客間の距離を1.5メートル空けるため乗車人数を定員以下に制限するよう指示していた。製造業の操業も従業員の人数を最低限に留めることとしており、経済への影響が懸念される。
(久保唯香)
(ケニア)
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