生活と消費傾向にも新型コロナウイルスの影響

(トルコ)

イスタンブール発

2020年03月17日

トルコでも新型コロナウイルスの感染者が確認されたことで、都市部でパスタなどの保存食や消毒液やマスクなどの買い占め傾向が見られるようになっている。オンラインショッピングでも同様の注文が急増しているようだ。

他方、ショッピングモールでは、客足が遠のき始めていている。当地経済紙デュンヤ(Dunya)によると、国民の消費は、衣類や靴などの高価な商品ではなく、食料、石鹸、トイレットペーパーなどの生活必需品購入に大きく傾いている。また、外国人のクレジットカードによる支出は1日で20~30%減、モール全体の売り上げも25~30%減になっているという。

こういった状況を受け、3月11日に行われた保健相、貿易相、文化観光相の会合後の記者会見で、ファフレッティン・コジャ保健相は、「多くの人が感染しているわけではない。新たに注文したものも含め薬の在庫に問題はなく、ウイルス検査キットも十分ある」とし、対策が万全であることを強調した。

ルフサル・ペクジャン貿易相は、国内需要を最優先とすべく、医療用のマスク・防護服などの輸出を規制する権限を保健省に委譲、便乗して価格を吊り上げる企業に対しては厳しい調査を行うとし、また3月16日~4月末までの国内の展示会などは全て延期することを伝えた。メフメット・ヌーリ・エルソイ文化観光相も、文化的なイベントなどは4月末に延期することを検討しているとし、現時点では観光客の制限が国内の安全のために最良の選択肢だと判断したと述べた。

ムスタファ・ヴァランク産業技術相も、13日、国内での消毒剤生産に必要なエタノールの調達を簡素化するため、燃料に含まれるエタノールの比率を3%とする規制を3カ月間限定で停止したことを明らかにし、「これにより、国内の精製所のバイオエタノール需要が減少し、バイオエタノール生産企業は、エタノール生産に注力するようになる」としている。

(エライ・バシュ)

(トルコ)

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