ドイツ自動車大手、新型コロナウイルスによる影響で生産を一時停止

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2020年03月19日

ドイツの自動車産業では、新型コロナウイルスによる影響で生産を一時停止する動きが広がっている。

BMWは3月18日、欧州のすべての生産工場および南アフリカのロスリン工場を同日から一時停止すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。停止は4月19日まで予定している。同社のオリバー・ツィプセCEOは、新型コロナウイルスの感染拡大により欧州の多くのディーラーが一時的な閉店に追い込まれており、「今後、自動車の需要も明確に落ちていくだろう」と指摘し、生産も売上動向に柔軟に合わせる必要があるとした。

また、フォルクスワーゲン(VW)の乗用車部門は3月17日、欧州の生産工場およびVWグループの部品工場の一時停止を順次行うと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ドイツ国内の各工場では、今週3月19日の遅番の業務終了時点から2週間の停止を予定している。同社は、今回の判断について、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う需要の減少および困難になっている部材調達の状況を鑑みたものとしている。

さらに、ダイムラーも3月17日、欧州における大部分の生産工場および一部の管理部門の活動を停止すると発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。停止の対象は、欧州内に所在する乗用車、トラック、商用車の工場であり、17~20日に停止開始、期間は2週間。また今後の状況次第では、措置の延長も視野に入れる。同社は、世界のサプライチェーンが現状不完全な状態が続いていると指摘したうえで、今後の経緯を注視する。この措置により、一時的な需要の減少に対応しつつ、財務状況の悪化の防止に努めるという。なお新型コロナウイルスの感染拡大による経済的な影響については「現在、十分に決定できておらず、確実な算定は不可能」としている。

なお、ドイツ自動車産業連合会(VDA)は3月18日、世界の自動車市場の概況を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。同発表によると、新型コロナウイルスの感染拡大および感染対策の導入により、中国の2月の新車販売台数は前年同期比で81.7%減と大幅に減少している。一方VDAは、欧州市場について、「販売台数に減少がみられたものの、新型コロナウイルスの影響はまだ出ていない」と指摘している。

(ベアナデット・マイヤー、森悠介)

(ドイツ)

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