アブダビ政府が地元企業への経済支援策を発表

(アラブ首長国連邦)

ドバイ発

2020年03月24日

アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ政府が地元企業向けの経済支援策を発表した。新型コロナウイルス感染拡大への懸念を受け、大きな経済的停滞を招く影響に備え、UAEのドバイ政府(3月12日)、UAE連邦政府(3月14日)が経済刺激策を発表したのに続いたかたちだ(2020年3月24日記事参照)。今回の施策は、アブダビ政府が投資活発化やイノベーション促進を目指して2019年に開始した3年間のプロジェクト「Ghadan 21」の一環として実施される。

また、アブダビでは、3月14日よりルーブル美術館をはじめとする美術館・映画館・テーマパークなどの主要観光・娯楽施設の休館や、アブダビ国際空港の一部ターミナル閉鎖など、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐ取り組みが相次いで実施されている(2020年3月17日記事参照)。

発表された施策内容は以下のとおり。発表後即時の実施とされた。

  • 商用車の年間登録手数料を免除(2020年末まで)
  • すべての自動車に対して有料道路通行料を無料化(2020年末まで)
  • 不動産登録手数料(個人用および商業用)を免除(2020年末まで)
  • すべての商業・産業活動からTawtheeq fees(不動産の賃貸契約に関わる手数料)を免除(2020年末まで)
  • 居住者および商業・産業向け公共電気・水道料金に50億UAEディルハム(約1,500億円、1ディルハム=約30円)の補助金を投入
  • スタートアップが支払う2020年の公共電気接続手数料に補助金を投入
  • 30億UAEディルハム(約900億円)規模の中小企業向け与信プログラムを開始
  • スタートアップに関する5,000万UAEディルハム(約15億円)までの規模のプロジェクト実施のための保証金を免除
  • 地場企業への資金貸付オプション見直しのための委員会を新設
  • 入札保証金(Bid Bond)要求を一時停止
  • 新たに交わされる工業用地賃貸契約にかかる手数料を25%控除
  • 工業活動および商業活動にかかる一部の罰則の免除
  • 政府関連事業の請求に対する受託企業への支払いを15営業日以内に実施
  • 飲食店や観光およびエンターテインメント関連事業者へのレンタルに係る費用を最大20%払い戻し
  • 観光およびエンターテインメント産業に賦課される観光税、アブダビ政庁手数料を免除(2020年末まで)
  • 資本流動性と株式需給バランスの維持を目的とした10億UAEディルハム(約300億円)規模の「マーケットメイカー・ファンド」を創設

(山村千晴)

(アラブ首長国連邦)

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