新型コロナウイルス対策として注目、遼寧省企業のオンライン教育や遠隔医療の取り組み
(中国)
大連発
2020年03月12日
新型コロナウイルス感染の拡大への対策として、人工知能(AI)やビッグデータを活用した遠隔処理技術やオンラインサービスに注目が集まっている。遼寧省企業も、AIを活用した保健当局や住民向けのデータ集計・共有のほか、オンライン教育、遠隔医療用機器の開発などの取り組みを進めている。
AIを活用した音声の研究開発に取り組む、遼寧省大連市の大連即時智能科技は、新型コロナウイルスの拡大初期の1月28日から、AIを搭載したロボットの自動応答による大連帰還者の状況把握、感染者の治療の状況把握、ウイルス感染防止のためのブラック ジャック 勝率提供、政府の対応策の周知を開始した。それにより、対人接触による感染リスクを低減し、流動人口も含めた住民の健康状態を適切に把握できるようになった。現在、同社の製品は、北京市、河北省、山西省などの地域においても既に導入されている。
大連厚仁教育科技が開発したアプリ「出口成章(文才が優れることを意味する四字熟語)」はAI技術とビッグデータに基づくK-12(幼稚園の1年間と小学校から高等学校までの12年間を合わせた計13年を対象とするオンライン教育)向けの教材だ。国家教育部は新型コロナウイルスの拡大後、全国の小中学校における授業停止期間におけるオンライン授業の継続に関する方針を発表した(ブラック ジャック トランプ)。同方針を受け、同社は全国向けに無料オンライン講座の提供を開始した。現在、同アプリの学生ユーザー数は湖北省45万人、遼寧省88万7,000万人、北京市20万人に上り、1日当たりのアクティブユーザー数は160万人に達している。なお同社は、大連市唯一の「準ユニコーン企業」として遼寧省科技庁の認定を受けている。
遼寧省瀋陽市に本社を構える中国IT大手の東軟集団(ニューソフト)は、ソフトウエア開発のほか、ヘルスケア事業にも力を入れている。新型コロナウイルスの拡大後、遠隔医療用CTスキャンや移動式デジタルX線透視装置を新たに開発し、湖北省武漢市の病院に寄贈した。同社は全国の病院の約3割の医療用システム開発を受託しており、とりわけCTスキャンなどの大型医療設備や肺炎診断設備に関する開発実績が豊富だ。同社の劉積仁会長は「新型コロナウイルスへの対策が、医療機器とインターネットの融合をさらに強化するきっかけになった」と述べた。
新型コロナウイルスへの対策を契機に、遼寧省企業によるイノベーションに向けた取り組みが一層加速することが期待される。
(李莉)
(中国)
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