日本のベンチャーキャピタリストら、ブラジルでスタートアップとの協業を解説
(ブラジル)
サンパウロ発
2020年03月10日
ブラジル日本商工会議所は2月27日、在サンパウロ日本総領事館、ジャパン・ハウスサンパウロ、Waoje Sao Pauloとの共催で、第6回イノベーション研究会(注)を開催した。日本のベンチャーキャピタリストや起業家ら11人がブラジルを訪問した機会を捉え、研究会の幹事を務めるブラジルベンチャー・キャピタルが「プロ投資家の新規事業の評価方法」をテーマにしたパネルディスカッションを行った。同国進出日系企業などを中心に約50人が参加した。
在ブラジル日本人投資家の中山充氏(ブラジル・ベンチャーキャピタル代表)がモデレーターを務め、投資家として豊富な知見を有する今庄啓二氏(フュ―チャーベンチャーキャピタル元社長)、吉崎浩一郎氏(グロース・イニシアティブ代表取締役)、大冨智弘氏(ティルス社長)の3人がパネリストとして登壇した。日本企業またはグローバル企業が新規事業を進める際のポイントは、ディスカッションを通じて以下に集約された。
- デジタルトランスフォーメーションやオープンイノベーションなどのツールを目的化してはならないこと。
- 成功させる意思が圧倒的に強い担当者を社内で発掘すること。
- 新規事業をサポートする経営層の存在。
- 被投資側への自由度(マーケティングのローカル化、自社製品の利用義務の柔軟化など)を残しつつ、投資側の資産や強みを提供することで相乗効果を生むこと。
- スタートアップとの交渉で発生する大企業側の限界〔稟議(りんぎ)完了までの時間など〕を事前に被投資側に開示すること。
(注)イノベーション研究会とは、在ブラジル日系企業と現地スタートアップの協業可能性を探るため、ブラジル日本商工会議所内に設置されたグループ(2019年5月発足)。2月現在、在ブラジル日系企業を中心とする38社で構成している。代表幹事はジェトロ、共同幹事はBrazil Venture Capital、KPMG、デロイト。第5回イノベーション研究会の様子は関連ブラック ジャック アプリ参照。
(古木勇生)
(ブラジル)
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