オンタリオ、ケベック両州で必要不可欠なサービスを除き企業閉鎖を命令

オンタリオ州のダグ・フォード州首相は3月23日、3月24日午後11時59分より必要不可欠なサービスを除いた全企業の閉鎖を命令すると発表した。閉鎖期間は14日間の予定で、「必要不可欠なサービス」のリストが同日遅くに公開された。

ケベック州も23日に同様の企業閉鎖命令を発表した。閉鎖期間は3月25日午前0時1分から4月12日までで、「必要不可欠なサービス」として、ヘルスケア、公安、政府、インフラ維持・管理、食料品・医療機器・医薬品などの製造、食料品店・医薬品店・コンビニエンスストアなどの小売り、メディア・通信、金融・保険、建設、ビルメンテナンス、輸送・物流を挙げている。

連邦政府による財政支援の動きとしては、トルドー首相は3月22日、新型コロナウイルス感染拡大対策として3月18日に発表した820億カナダ・ドル（約6兆2,320億円、Cドル、1Cドル＝約76円）の財政支援策の法制化のため、下院議長に議会の招集を要請したと発表した。下院議会は新型コロナウイルス感染拡大に対する予防策として、3月14日から4月20日までの休会を決定していたが（2020年3月16日記事参照）、下院議長による招集を受けて、3月24日正午に開会される予定だ。

トルドー首相は3月23日、カナダ農業信用公社（Farm Credit Canada）を通じて、資金繰りの悪化した農業従事者や食品事業者へ50億Cドルの貸付の実施を発表した。また、政府は新型コロナウイルスの治療薬やワクチン開発等の研究開発に2億7,500万Cドルを投じると表明した。

なお、週末にかけて公園などで集団を形成し接触を避けるための対策を取っていない人々がいることを受けて、トルドー首相は23日の演説で、そうした人々の行動が自身のみならず高齢者や基礎疾患を抱える弱者を危険にさらしているとして、予防のため接触を避けるよう要請するとともに、応じない場合には法的措置も検討していることを示唆した。

3月23日午後6時時点のカナダでの感染者は1,646人、死者24人となっている。

（飯田洋子）