ハンブルク市議会議員選挙、緑の党が躍進し国政与党CDUが惨敗
(ドイツ)
ベルリン発
2020年03月02日
ドイツ北部のハンブルク市(州に相当する特別市)で2月23日、市議会議員選挙が行われ、中道左派の社会民主党(SPD)は第1党の座を維持し、環境保護政党の緑の党(Gruene)が第2党に大躍進した一方で、国政与党のキリスト教民主同盟(CDU)は過去最低の得票率に落ち込み、第2党から第3党に転落した。2月24日の現地紙「ハンブルガー・モルゲンポスト」の報道によると、ペーター・チェンチャー市長(SPD)は、緑の党あるいはCDUとの連立を模索するという。
得票率をみると、SPDが39.2%(前回2015年選挙との得票率比:6.4ポイント減)、緑の党は24.2%(11.9ポイント増)、メルケル首相率いるCDUは11.2%(4.7ポイント減)、左派党(Linke)は9.1%(0.6ポイント増)、極右のドイツのための選択肢(AfD)は5.3%(0.8ポイント減)。自由民主党(FDP)は4.9%(2.5ポイント減)となり議席獲得に必要な5%を割った。
緑の党は気候変動対策など環境問題の意識が高い若い有権者を中心に得票率を約2倍と大幅に伸ばした。CDUとFDPの敗因は、2月5日に行われた東部チューリンゲン州の首相選出投票をめぐる混乱にあるとする向きもある。FDPが擁立したトーマス・ケメリッヒ議員がCDUと極右のAfDの協力の下で首相に選出されたが、AfDの支援を受けたことへの非難の高まり受け、同氏は翌6日に辞意を表明した。再選挙が実施される予定だ。不安定な状況が現在も継続しているため、FDPとCDUの支持率低下につながったとされる。
(ヴェンケ・リンダート、中村容子)
(ドイツ)
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