感染拡大期への移行を食い止めるため政策の抜本的強化図る
(チュニジア)
パリ発
2020年03月24日
チュニジア国立新興疾患監視局のベン・アラヤ局長は、3月22日時点でアリアナ、チュニス、スース、モナスティール、カイルアン、ガフサ、タタウイン、スファックスなどの各県で新型コロナウイルス感染者が発生し、その数は75人に上ると発表。3月21日までに1万2,395人余りが自主的な隔離措置(self-quarantine)を命じられ、その内約4,753人が隔離期間を終了しているとした(3月22日付、国営チュニジア通信『TAP』)。チュニジアでは現在の第2フェーズから全国で感染者が急増する第3フェーズへの移行を食い止めるためのドラスティックな対策が取られている。
ファハファーハ首相は3月13日に国民に対して行ったテレビ演説で、同日夜半から4月4日まで、海上国境の全面的閉鎖、金曜日の礼拝を含む集団祈祷の禁止、イタリアとの航空便の運航停止、フランスとは1日1便、スペイン、英国、ドイツ、エジプトとは週1便に運航制限、午後4時以降のカフェ、レストラン、ディスコの閉店、文化イベント、セミナー、スポーツイベントなどの中止などのコロナウイルス蔓延対策を発表。また、公立私立の保育園、幼稚園、小・中・高等学校を全て3月28日まで休校とするとした。
ファハファーハ首相はさらに3月16日、本国送還便を除く空路および海路による旅客輸送の全面的停止、集会の禁止、2交代制5時間勤務の採用を3月18日より実施すると発表。また、サイード大統領は3月17日、午後6時~午前6時までの外出禁止令を翌18日から開始すると発表した。
チュニジア工業・商業・手工業連盟(UTICA)のイシェム・エルーミ副会長は3月17日、貿易の75%をEU諸国に頼るチュニジア産業は、コロナウイルス危機によって、輸出部門では、注文のキャンセルや支払いの滞り、輸入部門では原材料の入手に困難をきたしていることにより、企業活動の鈍化がすでに見られ、人員整理、数週間の活動停止を考慮する企業が出てきていると発言した。この厳しい状況下、UTICAは政府に対し具体的な企業支援政策として銀行債務支払い義務の延期、ラデス港での通関の簡素化などの実施を要請する構えだ。
(渡辺智子)
(チュニジア)
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