新型コロナウイルスによる航空業界への影響続く
(中国)
広州発
2020年03月13日
中国では新型コロナウイルスの感染拡大により、春節(旧正月)前後(1月10日~2月11日)に実際に運航された航空便は、前年同期比24.5%減の38万7,379便(国内29万8,302便、国際8万9,077便)と大幅減となった。足元では感染は落ち着きを見せ始めており、多くの企業が操業を再開しているものの、航空便の運航本数は平時の約4割に落ち込んでいる。
中国民航資源網によると、1月1日から3月7日までに、国内線では1万4,349便の運航が計画されていたが、実際は6,403便にとどまり、7,946便が運航を取りやめた。国際線も4,022便が運航される計画だったが、実際は1,295便にとどまり、2,727便がキャンセルとなった。
運航本数は回復傾向も、少ない利用者
広州市に本社を置く南方航空は3月4日までに累計5,100便以上の運航を再開しており、国内線の便数は平時の6割以上にまで回復した。各大手航空会社は企業の操業再開の支援に向け、従業員の職場復帰に必要な交通手段を提供するためにも、徐々に便数を回復しており、時には地方政府の要請で従業員専用のチャーター便を飛ばすこともある。
しかし、依然として一般の人々は感染を恐れて航空便の利用を避ける傾向が強く、乗客数は大幅に減少したままとなっている。広州白雲国際空港の2月の運航実績は前年同月比65.6%減の1万3,044便だったが、利用者数は96万6,796人で、減少率は運航実績をさらに上回る同83.6%減だった。
新型コロナウイルスの感染拡大は抑制されつつあるが、人々の動きは平時より落ち込んだ状況が続いており、経済への影響が懸念される。
(梁梓園)
(中国)
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