大統領選挙で現職のニャシンベ氏が4選

(トーゴ)

アビジャン発

2020年03月05日

トーゴ国家独立選挙委員会(CENI)の集計結果(暫定)によると、2月22日に実施された大統領選挙で、与党・共和国連合(UNIR)のフォール・ニャシンベ大統領(得票率72.36%)が、民主主義と発展のための愛国運動(MPDD)党首のアグベヨメ・コジョ元首相(18.37%)、全国変革連合(ANC)党首のジャン=ピエール・ファーブル氏(4.35%)らを大きく引き離し、1回目の投票で当選を決め、4選を果たした。24日に政府が明らかにした。投票率は76.63%と近年の選挙で最も高かった。

オブサーバーを派遣したアフリカ連合(AU)と西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)は今回の選挙について、投票プロセスに技術的不備などが一部に見られたとしながらも、投票自体は大きな混乱もなく実施され、自由かつ透明な選挙と評価した。なお、コジョ氏をはじめ野党候補らが選挙の不正と無効を憲法裁判所に訴えている。

ニャシンベ大統領は2月24日、「民主主義の勝利だ。トーゴは包括的で持続的な経済社会発展を目指す」と宣言した。政府が2019年3月に定めた国家開発計画の下、経済改革の加速や若年層の失業問題と雇用創出、基礎インフラの整備、産業育成、民間分野の促進とともに、貧困脱却などの課題に取り組んでいくとみられる。

2019年5月の憲法改正後、新体制下で初の選挙でのニャシンベ大統領の圧勝は、野党側が明確な政策方針を打ち出せずに支持を集めることができなかったことや、野党が結束できずに票田が割れたことなどが要因とみられている。また近年、インフラ整備や経済が好調なことなども、現職に有利に働いたとみられる。

なお、憲法の主な改正点は、大統領選挙での2回投票制の導入や、大統領在任を従来の無期限から5年2期までに制限することなどだった。この制度を過去にさかのぼって適用しないことをめぐる与野党の対立が深刻化し、デモやストが相次いだ。また、野党側は既に5年3期を務めているニャシンベ大統領には被選挙資格がないと反発していた。

(渡辺久美子)

(トーゴ)

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