中国からの渡航者に対する入国制限を2月末まで延長

(オーストラリア)

シドニー発

2020年02月21日

オーストラリアのスコット・モリソン首相は2月20日、中国本土にいた外国人(オーストラリア永住者を除く)に対する14日間の入国制限について、2月29日まで延長すると発表した。

この入国制限は、2月1日から14日間の期限で実施されていたもので、2月13日に一度対応が見直され、さらに1週間延長されていた(2020年2月17日記事参照)。オーストラリア人、オーストラリア永住者とその家族(配偶者、法的後見人および扶養家族のみ)は引き続き対象外で、入国が認められるが、中国本土を離れてから14日間は自宅待機することが求められている。

モリソン首相は「オーストラリアでの症例は15件のまま増えておらず、連邦政府の対応は功を奏している」とし、「湖北省以外の中国国内では、感染拡大のスピードが落ち着き始めた兆候が見られるが、引き続き状況を注視していく必要がある」と述べた。

オーストラリアでは、2月20日午前6時30分現在、15人(ニューサウスウェールズ州4人、ビクトリア州4人、南オーストラリア州2人、クイーンズランド州5人)の新型コロナウイルス患者が確認されているが、既に10人は回復し、残り5人の容体も安定している、と報告されている(オーストラリア保健省ウェブサイト参照外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。

また、モリソン首相は2月18日、新型コロナウイルスに対するワクチンの研究開発へ200万オーストラリア・ドル(約1億4,800万円、豪ドル、1豪ドル=約74円)を拠出する、と表明していた。

メルボルンにあるドハーティ感染免疫研究所は1月末に、中国国外で初めて新型コロナウイルスの培養に成功している。また、クイーンズランド大学は、疫病対策準備イノベーション連盟(CEPI)の要請を受けて、ワクチン開発の研究を進めている。

(住裕美)

(オーストラリア)

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