キャッシュレス化が進むチリ、小売り大手ファラベラがQRコード決済を導入へ
(チリ)
サンティアゴ発
2020年02月06日
チリの小売り大手ファラベラ(Falabella)は、3月からファラベラおよび関連店舗において、QRコード決済システム「Fpay」を導入する(「プルソ」紙1月24日)。2020年末には、ペルーやコロンビアのファラベラ系列店でも順次導入される予定になっている。
Fpayは、専用のアプリをスマートフォンにダウンロードして、自分の銀行口座やクレジットカードを登録し、チャージして使用する電子決済ツールで、第三者に送金することも可能だ。ファラベラのフアン・マヌエル・マテウ金融部門統括部長によると、今後の展開として、同プラットフォームをインターネットで購入した商品の決済方法として利用できるようにすることや、ポイントをためられるシステムなどが追加される予定だ。
銀行・金融機関監督庁(SBIF)によれば、2019年10月時点での、チリで有効なクレジットカード数は1,456万5,284枚で、前年同月比36.6%増だった。チリ統計局(INE)は、2019年の18歳以上の人口推定を1,464万6,285人と発表しており、人口1人当たり約1枚のクレジットカードを保有していることになる。チリでは分割払いが比較的小額から可能で、複数人で会計を分ける場合にも、それぞれが個人のカードで支払うことができるなど利便性が高いため、現金を持ち歩く必要性が低く、キャッシュレス化が進んでいる国の1つだ。現状では、決済をさらに簡素化する手段として、サンタンデールウォレット(Santander wallet)、グーグルペイ(Google pay)、メルカドパゴ(Mercado Pago)などの電子マネー決済をサービスとして導入する企業が台頭しており、チリ小売り大手のファラベラがこの市場に参入することにより、競争の激化とさらなるキャッシュレス化の進展が予想される。
(岡戸美澪)
(チリ)
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